同胞の店

プルコギ食堂・固城苑
(川崎市・新丸子)

厚切りタン塩にびっくり/30年間変わらぬタレ


 こんなタン塩はちょっとやそっとではお目にかかれないだろう。何しろ肉が非常に厚いのだ。通常の2倍はあるのではなかろうか。と殺場から仕入れた牛タンの固まりを店で切る。肉の厚さは、店主である朴昌姫さん(58)の人情の厚さに比例している。厚いわりにはすぐにかみ切れるほど軟らかい。

 1972年に開店して30年が経つ。今年5月にリニューアルオープンした。開店当初に同業者から教わったのを基本にアレンジした肉のタレは、30年間変わらない味を維持している。キムチ、チャンジャなどももちろん自家製だ。辛さなどは客の好みに合わせて調節する。

 肉のおすすめは、上ミノ、ハラミ、ヤンなど。朴さんが品川のと殺場に直接行って、目で確かめてから仕入れている。

 30年間続けているとあって、常連客の大半は地元の人。商店街が近いため、スナックや居酒屋のママさんなどが多い。お店が終わった後の夜10時頃から三々五々集まって、肉を囲む。30年来の付き合いの人もいて、「娘さん大きくなったわね」なんて会話も飛び交う。キップのいい朴さん、常連にはキムチやナムルなどをサービスすることもしばしばだ。

 そんな常連さんが頼んだことから始めたのが焼肉弁当(1人前1000円)。日に十数個は出る。カルビやナムル、キムチはもちろん、栄養のバランスや彩りを考えてフルーツも欠かさない。これも朴さん流の気配りである。

 「お肉を残していく人がいない」と、パートの店員も太鼓判を押す味。ぜひ1度試してみてほしい。(聖)

 おすすめメニュー 特選ハラミ(900円)、特上ミノ(900円)、タン塩(900円)、豚トロ(600円)、ヤン(700円)、プルコギセット(1500円)、プルコギチゲセット(1500円)

 営業時間 午後5時〜午前1時、不定休、12月31日〜1月4日は休業。神奈川県川崎市中原区新丸子東1―826(東急東横線・新丸子駅東口下車2分)、TEL 044・433・2128

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