釜山アジア大会
国家代表として出場の在日同胞選手
29日から釜山で開催される第14回アジア競技大会には朝鮮から300人を超える選手団が18種目の競技に出場する。このうち陸上、サッカー、ボクシング、重量挙げ、ゴルフ、空手道の6種目に在日同胞選手14人が国家代表として出場する。今号と27日号にわたって在日同胞選手を紹介する。(@生年月日と年齢A職業または所属団体B出場競技またはポジションC出身校D主な大会の成績および記録、今大会に臨む抱負)
陸上 黄日錫 @1975年10月14日生まれ、26歳A会社員B400メートル競技C東京朝高、東海大卒D400メートル競技朝鮮記録保有者、第13回アジア競技大会400メートル競技準決勝進出 南で開催される国際大会に史上初めて参加する朝鮮の体育代表団の代表に選ばれたことは本当にうれしい。前大会は準決勝にとどまったが、今大会では自己記録(46秒9)を更新して決勝に進むことが目標だ。試合を通じて努力すれば大きなことも成し遂げられるということを示して、朝鮮学校の生徒たちに希望を与えたい。 サッカー 河貴大 @1981年2月27日生まれ、21歳A朝大歴史地理学部学生BFWC愛知朝高卒 夢としか思っていなかった国家代表に選ばれたことを名誉に感じている。大学のチームメート、それにクラスメートのみんなが自分のことのように喜んでくれている。そのためにも必ず試合に出場して活躍することで、大学と同胞サッカー界の名をとどろかせたい。 李漢宰 @1982年6月27日生まれ、20歳A日本プロサッカーJ1サンフレッチェ広島所属BMFC広島朝高卒 サッカーを始めた時から国家代表として国際舞台に立つのが夢で、それを目標に練習を積み重ねてきた。このほど行われた北南統一サッカー大会にJ2・アルビレックス新潟に所属する安英学選手が北側代表として出場し、昨年には母校の広島朝高サッカー部の後輩がインターハイに出場するなど、大きな刺激と力を得たが、次は私がみんなに力を与える番だ。在日同胞の期待に応えたい。 ゴルフ 金明讃 @1954年12月16日生まれ、47歳A会社社長B団体戦C大阪朝高、朝大卒 国家代表に初めて選ばれたことを、これまでの人生の中でも最大の喜び、栄誉と感じている。家族、親せきをはじめ周囲の反響はとても大きく、それだけに国家代表に選ばれた重い責任を感じている。プレーは個人でするものの、試合は団体戦であるためにチームワークが求められる。いくら自分が苦しくても、チームワークを重要視して団結してプレーすれば、例え1打でも縮めることができると思う。 金重光 @1953年1月30日生まれ、49歳A会社役員B団体戦C茨城朝高卒 90年の北京大会、98年のタイ大会に続く3度目の出場だが、同じ民族が暮す地、朝鮮半島で、それも統一旗が掲げられるなかで開催される大会に国家代表として参加できることは、最高の栄誉だ。大会は世界的な関心、とくに同じ民族の多くの応援もあるので、これまでとは違った雰囲気となろう。それに在日同胞の多くが慶尚道を故郷に置くだけに、親族との再会など新たなドラマも生まれるだろう。試合では好成績を収め、在日同胞社会でスポーツ競技としてのゴルフの普及・指導にも努めていきたい。 沈大水 @1962年6月18日生まれ、40歳A会社副社長B団体戦C山口朝高、朝大卒 歴史的な舞台に国家代表として参加することは目標のひとつでもあった。山口コリアゴルフ協会事務局長を務めているが、関係者をはじめ家族、親せき一同が自分のことのように喜んでいる。最初で最後の試合と思い、最後まで全力を尽くしてたたかうつもりだ。 李忠男 @1982年1月8日生まれ、20歳A東北福祉大学生B団体戦C日校卒 ゴルフ部門で、日本学校卒業生が国家代表に選ばれたのは今回が初めてのこと。選ばれるとは思ってもいなかったので、とても驚いている。同時に、そうした道標を作れたことに喜びも感じている。これも周囲の関係者のおかげで、感謝したい。同胞との接触は、小学校時代に参加した夏期学校以来、ほとんどなかった。今回の大会、そのためのみんなとの練習過程は、民族意識をいっそう高める機会になると思う。とくにハラボジの故郷である慶尚南道でプレーできる喜びはひとしおだ。試合には力まず、これまで積み重ねてきたものをすべて発揮したい。 |