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日本人拉致問題で在日への嫌がらせやめて

東京、大阪でピースボートが街頭で抗議

 日本人拉致問題と関連して全国の朝鮮学校やその児童、生徒たちへの嫌がらせが相次ぐなか、日本のNGO団体、ピースボートが抗議に立ち上がった。19日午後、東京・新宿アルタ前広場に集まった都内在住の同団体ボランティアスタッフ約30人は、「在日コリアンへの嫌がらせにSTOP!」と書いた垂れ幕を掲げて街頭演説、ビラ配布を行った。抗議を決めたのは前日の18日午後10時。授業終了後、学校からまっすぐ駆けつけた学生もいた。

 共同代表の中原大弐さん(25)は、「拉致に関しては憤りを感じるし真相を究明していかなくてはならないが、何の罪もない在日コリアン、とくにか弱い子どもたちに被害がおよんでいるという事実は、われわれ日本人が解決していかなければならない問題。いかなる状況にも左右されない恒久的な信頼関係の構築が必要だ」と訴えた。

 問題が問題なだけにかたくなな表情で通り過ぎていく市民が多いなか、ビラ配りに奮闘していた日高悦郎さん(24)は「同じ日本人として恥ずかしく感じる。被害を受けている在日コリアンの人たちを勇気づけてあげたい」と語っていた。

 ビラを受け取っていたある女性は、「こんなことがあったとは知らなかった。子どもたちに被害がおよぶようなことが絶対にあってはならない」と述べていた。当日は数人の在日コリアンも応援に駆けつけた。なお同様の抗議行動が大阪でも行われた。

朝鮮学校生徒に暴行未遂4件、暴言も

 朝・日首脳会談後、朝鮮学校や学生に対する悪質な嫌がらせが頻繁(ひんぱん)に起こっている。

 総聯中央教育局の統計(19日現在)によると、暴行未遂4件、暴言6件、脅迫電話、無言電話106件、Eメールによる脅迫文108件となっている。

 愛知朝鮮中高級学校では、下校中の中級部3年の生徒が男につかまれ、路地裏へと連れて行かれるところを周囲の市民に助けられたという。

 大阪では登校中の朝鮮学校生徒が石を投げつけられた。石は生徒に当たらず幸いケガはなかった。また、東大阪中級学校の女生徒が第2制服を着て下校中、カバンに書かれた朝鮮名を見つけた怪漢が後ろから突き飛ばす事件も発生している。19日には南海線北助払駅ホーム上で、電車に乗ろうとしていた同校の男子生徒2人が、50歳くらいの男性に肩を捕まれ電車に乗れなかった。

 千葉では中3の女子生徒が、JR八幡宿駅でサラリーマン風の男に「拉致! 拉致!」と暴言を吐かれた。

 埼玉では自転車登校中の初4の女子生徒に、中年男性が「お前朝鮮人だろう。悪いことしてやる」と脅迫された。

 兵庫、神奈川、新潟、長野、東京の朝鮮学校では脅迫電話が相次いだ。

 総聯の各地方本部や団体にも脅迫電話や嫌がらせも相ついでいる。

 総聯栃木県本部には、17日夜以降嫌がらせの電話が相次ぎ、愛知県本部にも嫌がらせの電話が18日午前までに16件、メールも約40件にのぼった。

中央大会で優勝した京都第1初級サッカー部祝賀会に350余人

 24回目を数える在日朝鮮初級学校中央サッカー大会(8月9〜11日、茨城)で、初優勝に輝いた京都朝鮮第1初級学校サッカー部の祝賀会が14日、同校で催された。総聯京都府本部の金禎文委員長、具永泰校長、同胞学父母、卒業生ら350余人が参加し、生徒らの活躍を称えた。

 祝賀会ではまず、具校長があいさつし、今回の快挙は生徒、教職員、学父母、卒業生だけではなく、府下すべての同胞らの喜び、誇りであると述べながら、生徒数が少なく、運動場(学校の前の公園)の条件が不十分である中小規模の学校で優勝を成し遂げられた要因は、生徒をはじめ関係者らが心と力、努力をひとつにしたところにあると強調した。

 決勝戦の模様がビデオで上映された後、選手全員が紹介され、優勝にかかわるエピソードが披露された。選手と父母たちによる記念撮影の後、2部の宴会が催され、焼肉を囲んで参加者らは生徒らの健闘を喜び合った。

新義州特別行政区設定

最高人民会議常任委員会政令発表、基本法採択

 平壌19日発朝鮮中央通信によると、朝鮮最高人民会議常任委員会は12日、新義州特別行政区設定に関する政令を発表した。

 また最高人民会議常任委員会は19日、新義州特別行政区基本法を採択した。基本法は第1章政治、第2章経済、第3章文化、第4章住民の基本権利と任務、第5章機構、第6章の区章、区旗の101条から構成されている。

 同法によると、新義州特別行政区は朝鮮の主権が行使される特殊行政単位であり、国家は行政区を中央直かつとする。国家は新義州特別行政区に立法権、行政権、司法権を付与し、行政区の法律を50年間変化させない。

 内閣、委員会、省、中央機関は新義州特別行政区事業に関与せず、行政区と関連した外交事業は国家が行う。新義州特別行政区は、国家が委任した範囲では自己の名義で対外事業を行い、行政区旅券を別途発給することができる。

 新義州特別行政区の土地および自然資源は朝鮮の所有であり、国家は行政区の国際的な金融、貿易、商業、工業、先端科学、娯楽、観光地区を設置する。

 国家は、新義州特別行政区に土地の開発、利用、管理権限を付与し、行政区に創設された企業が朝鮮の労働力を採用するようにする。新義州特別行政区の土地賃貸期間は2052年12月31日までとし、国家は行政区内で投資家たちの投資を奨励し企業に有利な投資環境と経済活動条件を保障するようにする。

 朝鮮は、新義州特別行政区で文化分野の施策を的確に実施することで、住民の創造的能力を高め文化情緒的要求を充足させるようにし、先端科学技術を受け入れ新たな科学技術分野を積極的に開拓するようにする。

 住民は性別、国籍、民族、人種、言語、財産と知識程度、政見、信仰によって差別されることはなく、住民権を持てない外国人は、住民と同様の権利と義務を担う。

 朝鮮内のほかの地域、または他国への移住、旅行の秩序は特別行政区が定める。

 立法会議は新義州特別行政区の立法機関であり、立法権は立法会議が行使する。立法会議議員には新義州特別行政区の朝鮮公民がなることができ、行政区の住民権を持った外国人も立法会議議員になることができる。立法会議には議長、副議長を置き、立法会議で選挙を行う。

 長官は新義州特別行政区を代表し、行政区住民で能力と信望がある者が長官になることができる。長官は立法会議の決定、行政府の指示を公布し命令を下し、行政府メンバーおよび区検察所所長を任命、解任できる。

 行政府は行政区の行政的執行機関であり、全般的管理機関である。行政府の責任者は長官であり、行政府の部署責任者、警察局局長には行政区の住民がなる。

 新義州特別行政区の検察事業は区検察所と地区検察所が行い、区検察所は自己の事業に対し責任を持つ。

 新義州特別行政区での裁判は区裁判所と地区裁判所が行う。区裁判所は最終裁判機関である。

 新義州特別行政区は朝鮮の国章、国旗の他に自己の区章、区旗を使用し、使用秩序は行政区が定める。

 新義州特別行政区には朝鮮の国籍、国章、国旗、国歌、首都、領海、領空、国家安全に関する法規以外に別の法規を適用しない。(朝鮮通信)

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