必ず日本から謝罪、補償を−強制連行者41万人分名簿、ソウルで初公開 |
朝鮮解放後初めて、日帝の強制連行被害者の名簿がソウルで公開された。「民族正気を打ち立てる国会議員の会」(会長=金希宣議員・新千年民主党女性委員長)の主催によるもので、日帝の植民地支配に抗して全土が立ち上がった3.1人民蜂起84周年に際している。2月28日から3月4日までの5日間、国会議員会館内のホールで展示会が行われた。名簿は、朝・日の学者、研究者などで構成される朝鮮人強制連行真相調査団(以下調査団)が30年かけて集めた41万3407人分。これに先立ち、平壌では日帝の犯罪性に関する北南共同学術討論会(2月20日)、資料展示会(20〜24日)が開かれ、金議員も南側代表として参加。同会の招待でソウルを訪れた真相調査団朝鮮人側中央本部の洪祥進事務局長は、「今後、北南、在日同胞が連携して日本政府に真相究明を求めていくうえで転換的な意味を持つ」と語った。 15%が探し当てる
「汝矣島洞にある国会議員会館にいらしてください。そこの1階に展示してあります」 名簿展示の窓口となっている金希宣議員の事務所では、朝から問い合わせの電話が鳴り止まない。職員はその対応に追われ、ほかの仕事には手もつけられない。 2月28日から3月1日にかけて、連合ニュースをはじめハンギョレ新聞、文化日報、韓国日報、国民日報、京郷新聞などの各紙、ニュース専門のYTN、そしてMBC、KBS、SBSの各テレビ局が大きく取り上げた。 3〜40代に圧倒的人気を誇り、アクセス件数が日に10万件を超えるインターネットサイト「オーマイニュース」も2月28日に4ページに渡って紹介。こうしたマスコミ効果もあって、日に2〜300人が展示会を訪れた。 最終日前日の3日には一日だけで約200人が訪れ、名前を探し当てた被害者、遺族は30人以上にのぼった。この日だけで、訪れた人の15%が名前を見つけたことになる。名簿が全連行者の6%に過ぎないことを考えれば、決して小さな数字ではない。 「最も重要な証拠」
「本来なら、このような名簿公開は日本政府がやるべきだ。強制的に連れていき過酷な労働を強い、戦場に狩り出したあげく、遺族に死んだ日にちや場所すら知らせないとはあまりに不誠実だ」 強制連行被害者の訴訟にあたっている弁護士の崔鳳泰氏は、こう怒りを露にした。 現在、南では真相究明を通じて被害者の尊厳と名誉を回復するための「日帝強占(強制占領=植民地)下強制動員被害真相究明等に関する特別法制定推進委員会」が組織されており、崔弁護士もその一員として活動している。 同推進委では、今回の名簿公開にあたって声明を発表し、「強制連行に関する真相究明活動がいっそう活発化することを確信する」「名簿は日本政府と企業が否定する強制連行の歴史を究明するうえで最も重要な資料であり証拠」「在日はもちろん、南北が協力してより堅固に真相究明活動を行うべき」などと強調した。 被害者の生存中に 同推進委調査研究室長の鄭恵瓊・韓国精神文化研究院特別研究員は、「日本政府が隠したがっている資料を民間団体である調査団が収集、公開したことの意味は大きい。この機会に韓国内で真相究明の動きが広がることを期待している。在日と南北が共同で調査し日本政府から謝罪と補償を勝ち取るべきだ」と語る。 「被害者の平均年齢は80代半ば。もう時間がない。私たちは『被害者が生きている間に』をスローガンに、今後も運動を進めていくつもりだ」 また、金希宣議員は、「徴用、徴兵、『従軍慰安婦』など日帝による強制連行被害者は750万人(南で公表された数字)。当時の労働人口のほとんどが連行されたにもかかわらず、日本は事実をわい曲し隠蔽してきた」と指摘。 今回の名簿公開の意味についてつぎのように語った。 「強制連行被害と関連した真相を究明し証拠資料を収集、研究、保存することで被害者が謝罪と補償を受ける道が開ける」(文聖姫記者) (関連記事) [朝鮮新報 2003.3.8] |