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2004年度朝鮮料理(焼肉)店経営集中講座 第2回「ヒットメニュー習得編」

 在日本朝鮮商工連合会と同胞飲食業者協議会が主催する2004年度朝鮮料理(焼肉)店経営集中講座の第2回目が9、10日の両日、東京・上野の朝鮮商工会館(9日)、東京・新宿の叙々苑游玄亭(10日)で行われ、在日同胞、日本人を含む50余人が参加した。「ヒットメニュー習得編」というテーマに沿って行われた今回は、FSプランニングの押野見喜八郎代表、恵クリニックの韓啓司院長の講義、グループ別店舗見学会および意見交換会、(株)叙々苑の朴泰道社長の指導による料理実習や食事交流会などが催され、実践的な講座となった。閉会の辞を述べた同協議会の金奉讃副会長は、「本講座を機に、これからも経営全般のレベルアップを目指し、朝鮮料理、焼肉業界で働く自負心とプライドを持って奮闘し、発展させていってほしい」と語った。(崔良先記者)

料理実習 徐々苑人気メニューを公開、壺漬けカルビなど3種類

料理実習に真剣に見入る参加者たち

 今回のメイン企画は、叙々苑游玄亭新宿店の研修ホールで行われた料理実習。朴泰道社長の指導のもと、叙々苑の料理人ら3人が出演し、同店人気メニューのオリジナルチャプチェ、短冊厚切タン塩、爆発的ヒットメニューとなった壺漬けカルビの作り方を公開した。

 まずはチャプチェ。7種類の材料や調味料を紹介し、実践とともに朴社長が説明する。

 「チャプチェはすでに作ってあって、オーダーを受けたあとに温めなおす。『え?』と思うでしょ。温めなおした方がおいしいんですよ。砂糖ひとつまみと醤油ひとさじを加えてね」

 さらに朴社長は、「春雨は洗わない。洗うと腐る」「砂糖、醤油、胡椒のバランスが大事」などと、おいしくするコツを披露した。

 次は短冊厚切タン塩。タンの先は固く、そのままでは出せないとして、ひき肉にしたり、店によっては処分対象になっているという。

 何かできないかと試行錯誤したすえ、切り方を変えて工夫しようという発想で提案されたのがこのメニューだ。タンの先を短冊のような細長い形に切ると、「少し時間がたってきたら白身が出るので客に出せる」という。朴社長は、「切ってみて、霜がふっていたら出す。ふっていなかったら出さない方がいい」と続けた。

 微に入り細にわたる話に真剣に聞き入る参加者たち。「タレの材料は何ですか?」「使っているメーカーは?」などのさまざまな質問に、朴社長、料理人らは丁寧に答えていた。

 最後は、最も大きな関心を集めた壺漬けカルビだ。

 同店では、上カルビが並カルビよりよく売れるという。「残った並カルビをどうにかできないか」という発想から生み出されたのがこのメニュー。短冊厚切タン塩と同様、「同じものでも工夫次第で視覚的にも味覚的にも違ってくる」というわけだ。

 細長く、やや厚めに切った肉の表裏に斜めに切り口を入れる。そして餅、銀杏、栗、にんにく、唐辛子、りんご、野菜などと一緒に、ホタテなどでダシをとった特製もみダレに漬け込む。同店の「新しい味わい」というメニューを前に、参加者たちは、説明を一言も聞き逃すまいと必死にペンを走らせ、材料などをカメラに収めていた。

 「切り口にしみ込むから普通の(焼肉の)タレだとしょっぱい」「日本人はあぶらを好まないが、おいしさを求めるならあぶらをつけた方がいい。嫌われない程度に(笑)」「トッポッキ用の細長い餅をいれてもいいだろう」などと、朴社長はざっくばらんに語った。料理実習は終始明るく楽しい雰囲気の中で進められた。

 おいしいと言えるものが作れるまで40年以上かかったという朴社長。「工夫なくしていいものは生まれない。今日学んだことを参考に、自分たちの味を追求していってほしい」「キムチなくしてわれわれの商売は考えられない。キムチはおかずではなく料理だ。きれいに切り口をそろえて、常に切りたての新鮮なキムチを提供するべき」とも強調した。

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参加者たちの声

[朝鮮新報 2004.11.27]