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〈京都ウトロ土地問題〉 同胞住民、支援者らが強制執行反対し緊急集会

ウトロ地区を「人間の鎖」で囲む集会参加者たち

 「強制執行は許さない」「高齢者の居場所を奪うな」−さまざまなプラカードを掲げアピールする人々。2000年末に住民側の全面敗訴により、京都府宇治市伊勢田町のウトロ地区に住む在日同胞たちが地権者から強制立ち退きを迫られている問題で、ウトロ地区に住む同胞たちと支援者たちによる緊急集会が8日、現地で行われた。

 集会にはウトロの同胞、「ウトロを守る会」をはじめとする東京、沖縄などから駆けつけた多くの日本人支援者、総聯京都府本部、府内の各支部、民団府本部、朝青、韓青、留学同、韓学同などの同胞団体関係者計500余人が参加した。

 集会では町内会を代表して厳明夫副会長が、土地裁判に至る歴史的経緯と敗訴(2000年11月末に最高裁にて上告棄却)以降の状況などについて報告した。

民族衣装を着た農楽隊を先頭に約2キロの道をデモ行進

 厳さんは、今年1月にウトロの土地所有権が「立ち退き訴訟」の原告だった不動産会社「西日本殖産」(大阪市)から大阪市内の個人に移っており、それ以降ウトロ地区に不動産業者や解体業者らがひん繁に出入りするなど、非常に緊迫した状態が続いている、などの現状を報告。6月末には所有権抹消予告登記も行われるなど、状況は複雑さを増しており、住民たちも不安を募らせていると述べた。

 町内会の金教一会長は、「一人暮らしのハルモニたちや生活保護を受け、行き場のない同胞たちの代替住宅が確保されるまで、ウリは最後までたたかう。支援者のみなさんも最後までウリとともにたたかってほしい」と訴えた。

 参加者たちは集会後、立ち退きの強制執行に徹底抗戦する意志をより強くアピールするため、手をつなぎウトロ地区を「人間の鎖」で囲み団結の意志を示した。

 また、民族衣装を着てチャンゴなどの民族楽器を打ち鳴らす農楽隊を先頭に、「強制執行は許さない、最後までたたかうぞ!」「高齢者の居場所を奪うな!」「ウトロをなくすことは日本の良心をなくすこと」などと書かれたプラカードを掲げ、シュプレヒコールを上げながら約2キロの道のりをデモ行進した。【南山城支部】

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[朝鮮新報 2004.8.19]