〈総連中央会館の固定資産税問題〉 総連中央の李沂碩副議長が陳述 |
東京都による総連中央本部会館に対する2003年度固定資産税及び都市計画税賦課処分等の違法性を明らかにし、同処分等の取り消しを求めるために総連中央が起こした訴訟の第1回口頭弁論が9日、東京地方裁判所606号法廷で行われた。総連中央は昨年7月以来、都による固定資産税、都市計画税賦課処分等を不服とし、減免申請と審査請求を行ってきた。しかし、都は異例の速さで差し押さえ処分を断行し、合理的な説明もないまま、今年2月24日、審査請求を棄却。総連中央は5月19日、東京地裁に対し訴状を提出した。この日の口頭弁論では、総連中央の李沂碩副議長が陳述を行い、弁護団団長の床井茂弁護士が意見陳述を行った。次回は11月4日に開かれる。 李副議長は陳述の中で、在日朝鮮人2世として日本で生まれ、高校まで日本学校に通い民族の言葉、歴史、文化もほとんど知らずに過ごしてきたにもかかわらず、自らが受けた民族的差別体験から、民族学校の教員になり、総連の活動家としての道に入った経緯について詳細に語った。 また、総連が結成とともに掲げ、今日まで貫いてきた運動路線は、「在日同胞の中で民族的自主性を守り高めることを核心に据えた、民族団体、同胞権利擁護団体としての、愛族愛国運動路線」だと指摘。この路線に従って、@同胞の民族的尊厳と権利を守り、教育、文化、経済、福祉、冠婚葬祭にいたる同胞の生活に奉仕するA日本国民との理解と信頼を深めて友好親善関係を築き、朝・日国交正常化の実現に貢献するB祖国の統一に寄与するC祖国朝鮮の建設と繁栄に寄与する−という4つの課題を担って活動してきたと述べた。 李副議長は、「総連は結成以来、日本において朝鮮の『大使館級』『代表部格』として、民間、国家間を併せ朝・日間の交流と理解、友好親善の『かけ橋』の役割を果たしてきた」などとして、総連の組織と活動が、在日同胞のために献身すると同時に、日本の社会に対しても公益に資してきたと確信していると語った。 そうした総連の活動に対する正しい判断があったからこそ、東京都が1973年、総連中央の固定資産税、都市計画税の全額減免を64年度分までさかのぼって決定したと指摘。都が30年前に、総連中央本部に対して、朝鮮を代表する大使館の性格と公益性を有すると判断した時と、組織の性格、活動内容には何の変化もないと強調した。 李副議長は、石原都政下で行われた今回の課税が、理不尽な政治的背景と意図を持つ、税の名を借りた許しがたい民族弾圧であると、怒りを持って断罪した。 なおこの日、李副議長と弁護団が記者会見。総連中央本部広報室がコメントを発表した。 [朝鮮新報 2004.9.14] |