北南経済協力推進委員会第8回会議の意義と課題 |
2日から5日までソウルで行われた北南経済協力推進委員会(経推委)第8回会議では、開城工業地区開発、東西海線鉄道、道路連結、金剛山観光活性化、経済協力協議事務所の開設、運営、臨津江水害防止、経済部門考察団の相互訪問など、7項目からなる合意文を採択した。「民族共助の手本」にしようと、北側が大きな関心と意欲を持っている開城工業地区開発問題を中心に、今会談の意義と課題を整理した。 企業入住時期を初合意 2月上旬に行われた第13回北南閣僚級会談(ソウル)では、「早い時期に開城工業地区の第1段階、100万坪開発を本格的に推進することにし、今年上半期中に1万坪規模のモデル工業地区を開発するよう、積極的に協力すること」で合意した。今会談では、この合意を確認し、開城工業地区に企業が入る時期を確定した。 合意内容を具体的に見ると、今年上半期中に1万坪規模のモデル工業地区敷地造成が完了次第、各企業が入住し、生産に着手するようにした。また、第1段階の100万坪開発区域に対するインフラ建設を積極的に推し進め、来年からは段階的に企業が進出できるよう協力することにした。さらに、企業の製品生産が円満に行われるよう電力、通信などを商業的方式で適宜に供給するよう努力することにした。 このように、企業の同地区への入住時期を合意するなど、同地区を稼動させる時期について具体的な合意を見たのは初めてだ。 会議ではまた、◇東西海線鉄道の試験運行と道路舗装◇北南間の直接取引拡大などのための経済協力協議事務所の開設、運営をはじめ新たな内容でも合意した。 今回の合意は、南の企業の注文を受けて衣類、靴、カバンなどを生産している北の企業にとって朗報と言える。南浦軽工業工場支配人のマ・スンギョンさん(64)は記者の取材に対し、「取引は中国・丹東市を経由して行っているので、どうしても意思疎通が遅れる。また外国船舶による輸送費がとても高い。競争力が落ち注文が少なくなり、稼動を中断している職場もある」と現状を話しながら、同工場の運営には直接取引と陸路輸送が切実な問題になっていると話していた。 今回の合意が実現すれば、同工場の置かれた状況は大きく改善されることになるだろう。 民族共助で合意履行を しかし今会議に対し、南側は肯定的に評価している反面、北側の期待には及ばなかったようだ。5日発朝鮮中央通信は、北側は今会議で開城工業地区に発電所を建設する問題をはじめ現実的ないくつかの新協力提案をしたが、南側のしかるべき呼応を得られなかった、と報じた。 経済協力問題と関連し北側は、電力協力問題に大きな関心を寄せたが、南側はこれを核問題と関連させて、現段階では議題にできないという立場をとったという。北側の立場から見れば南側のこのような態度は、民族共助ではなく、外勢共助に映ったことだろう。 実際に8日付労働新聞は、訪米した南の外交通商相が「(北南間の)経済交流は核問題が解決されなければ、実質的に大規模に行うことはできない」と発言したことに対し、「外勢との共助を追求するものであり、民族を抹殺しようとする米国の核騒動に加担する反民族的犯罪行為としか見れない」と非難した。 また、第13回北南閣僚級会談でも北側団長は、この1年を振り返りながら、南側が経済協力に消極的態度を取ってきたことに対し、米国の対朝鮮孤立圧殺政策に与している証拠だと追及している。 このように、双方の評価には差があるが、開城工業地区に企業が入る時期を確定したことをはじめ、北南経済協力発展の新たな土台を築いたのも事実だ。経推委北側委員長は、「会議の結果については満足できないが、合意書どおりやっていけば祖国統一は必ず来る」と話している。合意の履行が何よりも重要だろう。(姜イルク記者) [朝鮮新報 2004.3.15] |