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6.15ソウル国際討論会から探る現状、北南、統一への強い意思アピール

 先月15日、ソウルで行われた6.15共同宣言発表4周年記念国際討論会。南朝鮮のインターネット新聞、統一ニュースは、組織委員長を務めた林東源前大統領特別補佐官に対するインタビュー記事を通じ、改めてその意義などについて言及した。討論会から現在の北南関係をさぐってみる。

予想外と予想通りの参加者

ソウルで行われた共同宣言発表4周年記念国際討論会 [写真=聯合ニュース]

 国際討論会には、盧武鉉大統領と金大中前大統領、与野党代表など南の政界代表者ら、各界人士と学者らが参加した。

 ハンナラ党の朴槿恵代表も参加したが、主催者側は当初、「期待していなかった」そうだ。

 林前補佐官は「社会が変わり、ハンナラ党も変わった」と振り返った。

 以前、最大野党ハンナラ党が国会の過半数を占めていた時代、野党が与党の推し進めようとする事業のカベとなっていた。

 しかし、大統領に対する弾劾推進勢力を審判した4月の総選挙以後、ハンナラ党も対北政策に融和的だ。

 ハンナラ党代表の討論会への参加は、「これからは対北政策を超党派でできる契機になった」と言える。

 南の多くの政界関係者が参加した討論会には、北から朝鮮アジア太平洋平和委員会(ア太委)の李種革副委員長を団長とする代表団が参加した。

 林前補佐官は、北と南が公開的に行う初めての討論会だとしながら、その意義を強調した。

 一方、盧大統領の参加は、数日前に決まったといわれているが、林前補佐官は討論会の開催を推進したのは大統領府だったという。

 たしかに討論会主催者は昨年11月に開館した延世大学の金大中図書館だが、大統領府では6.15共同宣言4周年に際した記念行事を行う構想をもって、北、南、海外の代表、人士が参加する討論会の開催を推し進めたという。

北に6.15支持の再メッセージ

 大統領府がこのような大々的なセレモニーを催したのは、盧大統領が執権当時、核問題が解決されれば北南間の経済協力を果敢に推し進められるという内容の発言をしたことと関連する。

 林前補佐官は、「その発言が核関連政策ではないかと誤解された。今回、その誤解が初めて解けた」と指摘した。

 林前補佐官はまた、討論会を通じ、「盧大統領が6.15共同宣言を支持し、前政権の政策を継承、発展させるということを再確認し、それを国民に知らせ、また、北にそのようなメッセージを送る契機になった」とも指摘した。

 一方、討論会の開幕に先立ち、盧大統領と金前大統領は北側代表団と会って談話を交わした。席上、北側団長は金正日総書記のメッセージを伝え、盧大統領もメッセージを伝えた。北側団長は、「金正日総書記の特使の役割を果たしたと言える」(林前補佐官)。

 北側は北南関係が和解、協力に向かっている現在を「6.15時代」と呼び、南側も「新たな段階に入った」(林前補佐官)と認識している。さらに関係が発展するためには米国がネックになっているとの認識でも一致している。

 一貫して「わが民族同士」を強調している北側は、今回の討論会でもそれを強調し、また林前補佐官は、「ブッシュ政権が対北敵視政策を続け、南北関係が進展することを望んでいないので、どうしてもその影響はある」としながら、「民族問題はわれわれが解決すべき。従属されず、われわれが先導すべき」だと指摘した。

 変化を見せ始めた米国の今後の態度が注目される。

望ましい流れに協力を、和田春樹・東大名誉教授

[朝鮮新報 2004.7.15]