米、開城事業に露骨な圧力−「国連軍司令部」移転し監視 |
北と南が民族経済の均衡的な発展のために行っている開城工業地区建設に対し、米国が露骨に干渉している。これまで、和解ムードが高まるたびに水をさしてきた米国は、金日成主席10周忌の際に南朝鮮当局が民間追悼団の訪北を妨げたのを機に、硬直している北南関係をさらに悪化させようと躍起になっている。 管かつ権誇示する措置
「軍事停戦委員会の最前線への移転は、南北協力事業を国連軍司令部レベルで支援するという趣旨のもとでなされた」 「国連軍司令部」は9日、軍事停戦委員会に参加している15カ国中、一部の国の将校らが参加する中、板門店共同警備区域と非武装地帯への移転行事を行った。 今回の移転について「国連軍司令部」関係者は、西海線鉄道と道路が位置する西部の北南共同管理区域から北に入る人、物資に対する承認および許可業務を円滑に支援する目的で行われたと説明。開城工業地区の工事が順調に進む中、同地区に進出する南の企業家たちの頻繁な往来や設備の搬入、今後予想される開城への陸路観光客の増加などに合わせて、行政上の便宜提供のための移転だという。
しかし、この移転に対しては、南内部から「南北間交流が活発になるにつれ、北の開城工業地区への主要戦略物資の搬入如何を監視するためのもの」との指摘がなされている。また、北南間の人的、物的交流の活性化に伴い、非武装地帯の管かつ権は「国連軍司令部」にあるということを示すための象徴的かつ実質的な措置との見方もある(文化日報9日付)。 国連報道官が南朝鮮占領米軍は「国連軍」ではなく、「米国主導下の連合軍」であるという公式の立場を明らかにしたことでもわかるように、軍事停戦委員会には15カ国が形式的に参加しているだけで、実質的には南朝鮮駐屯米軍が主導権を握っている。 一方、これに先立つ10月27日、米議会調査局の東アジア専門家であるマーク・メニーは、米商工会議所の招待講演で「南北間経済協力の急進展」が南朝鮮、米国関係における変数になりかねないと指摘。「開城工団事業が米国政府の高官を憂慮させている」「北の核問題が解決されていない状況で開城工団事業を強行することに反対する」などと露骨に不快感を表した。10月25日には、南朝鮮駐在米国大使も招待講演で、開城工業地区の建設事業に「過度の期待をかけるな」と南朝鮮当局に公に圧力をかけた。 「指示する資格ない」 米国の露骨な干渉に対し、北は非難の度数を高めている。 祖国平和統一委員会(祖平統)のスポークスマンは19日、米国が軍事停戦委員会米国側関係者を板門店に常駐させると発表したことに関連し、これは板門店共同警備区域と非武装地帯を引き続き掌握、統制して開城工業地区の建設をはじめ北南協力事業を阻もうとする米国の本心を露にしたものであると指摘した。
そのうえで、今回の措置は6.15共同宣言発表以降、「国連軍司令部の許可」をうんぬんして北南間の人的、物的交流を妨げてきた米国が、朝鮮民族同士で行う北南協力事業に自分らが直接出て全面遮断するということを公布したのと同じであると強調した。 一方、朝鮮民族経済協力連合会(民経連)のスポークスマンは6日、声明を発表し、米国はこれまでさまざまな形で開城工業地区建設を妨げてきたが、現在のように政府関係者が直接、開城工業地区建設を妨げる妄言を並べ立て、工事の速度を核問題解決の程度に合わせて調節するよう強迫するのは初めてだと指摘。米国のこのような行為は、あらゆる妨害策動にもかかわらず、開城工業地区建設事業がこれから本格的な段階に入ることに対する極度の危惧の念とともに、核問題と「人権問題」を持ち出して繰り広げている自らの対朝鮮強硬政策に南朝鮮をいっそう深く引き入れようとする企図から発したものであると強調した。 また、開城工業地区建設事業は、民族の団結と国の統一、民族共同の繁栄を願う同胞の志向と要求によって行われる北南経済協力事業の主要部分であり、民族内部問題であると述べながら、米国は朝鮮の人々が自国の領土に何を建設しようとああしろ、こうしろと言ういかなる名分も資格もないと非難した。 (関連記事) [朝鮮新報 2004.11.26] |