国際武道競技大会、43カ国から500余人参加 |
【平壌発=李相英記者】15日から20日まで平壌で開かれた第1回国際武道競技大会。「史上初の世界の武道家が集まった大会」(大会組織委員会)には、世界43カ国から500余人の選手が参加し、お互いの技を競い合った。テコンドー、空手、中国武術、シルムなどの競技のほかに、キックボクシング、日本の総合格闘技、キルギスタンやマレーシアの伝統武術などのデモンストレーションも多彩な形式で行われ、世界各国の武道がその歴史の中で培った技と精神を披露する「武道の一大競演」に、集まった観客も大いにわいた。 五輪向け経験つむ
4日間にわたり各種目でし烈な競技が行われたなか、異彩を放ったのが囲碁競技だ。 黒と白の石を使った盤上での陣取り合戦である碁は、軍事遊戯として中国に起こった。そのため、武芸や軍事に関する術を意味する「武道(Martial arts)」に、立派に含まれるという。朝鮮や中国の将来有望な若手選手が多数参加し、碁盤の上の熱戦を繰り広げた。 一方、在日同胞選手らも空手種目に出場した。在日本朝鮮人空手道協会に所属する選手で構成された選手団は、全国各地の朝高、朝大生主体の若いチーム。朝鮮や外国の強豪を相手に戦い、金メダル4個、銀メダル3個、銅メダル8個を獲得するなど大活躍した。 「空手は2012年の五輪で正式種目になることが予想されている。将来を見越し、若い世代の選手らに国際大会の経験を積ませるため、若手主体で参加した」 選手団の団長を務めた在日本朝鮮人空手道協会の崔哲会長は、「在日朝鮮人空手家にも五輪出場のチャンスが十分ある」とし、「その頃に20代半ばになり、活躍が期待される現在の朝高、朝大の選手らは、今回の経験を生かし大きく羽ばたいてほしい」と語った。 「長年の夢」と猪木会長
今大会と、それに先立って行われた映画祭典の2つの行事は、さまざまなレベルでの友好と親善を促進していこうとする朝鮮の積極的な対外姿勢を表すものだといえる。 武道競技大会を主催した国際武道競技委員会(IMGC)の委員長である張雄・国際テコンドー連盟(ITF)総裁は、将来この大会を「武道のオリンピック」へと発展させていく考えを示した。 そして今後の展望について、「参加選手や種目の数も順次増やし、大会の理念である平和と友好、親善を促進させる武道の祭典へと作り上げていきたい」と語った。 ゲストとして招かれた猪木事務所の猪木寛至会長も、「種目の垣根を越えた世界的規模の武道大会を開催することは私の長年の夢でもある」と語り、「大会開催にはいろいろと大変な面も多いが、これから競技性とエンターテイメント性が融合したイベントに発展していくことを願っている」と述べた。 (関連記事) [朝鮮新報 2004.9.27] |