朝大ボクシング部3選手が全日本選手権へ、経験積ませ強化図る |
9月25日から10月3日まで日野自動車健保プラザで行われた今年度の東京都アマチュアボクシング選手権大会で朝鮮大学校ボクシング部の3選手が優勝した。ライトフライ級の高正浩(体育学部2年)、ライト級の李冽理(体育学部4年)、ライトウェルター級の尹文鉉(体育学部3年)の3選手ら。3選手は11月24〜28日にかけて岡山ドームで行われる第74回全日本アマチュアボクシング選手権大会に出場する。アマチュア最高峰の大会に初挑戦する意気込みと新コーチの指導のもと、強化を図る同部を取材した。(金明c記者) 新コーチとともに 優勝した選手らはすべての試合を判定で勝利。バンタム級の禹泰秀(文学歴史学部3年)、ウェルター級の慎泰和(政治経済学部1年)の両選手も決勝まで勝ち進み2位の好成績を収めた。また、2人の選手が3位入賞を果たした。
東京都大会は他の地方と比べてレベルが高いと言われる。それは関東大学リーグ1部、2部の強豪校選手らが所属するためだ。そんな難関を突破した今回の快挙を「単なる偶然ではない」と同ボクシング部の朱一コーチ(38)は言い切る。 「同ボクシング部には朝高時代に全国選抜やインターハイで好成績を収めた選手たちがたくさんいる。素材がいいので指導さえしっかりすれば結果は必ず残せる」 朱コーチは在日本朝鮮人ボクシング協会の打診を受け、今年6月から指導を始めた。東京朝高ボクシング部10期生で当時は主将を任された。 朱コーチは、「朝大ボクシング部の強化は昔から論議されてきた。だが、指導者がおらず『同好会』のような状態になっていて、伸び悩む選手らが多かった。今後は試合の経験をもっと積ませて強化にあたりたい」と語った。 目標は2部進出 現在、部員数は選手14人、マネージャー4人の18人。全国高校選抜大会やインターハイ出場経験のある東京、大阪朝高ボクシング部出身の選手らを中心に各朝高での経験者、大学から始めた選手らで構成されている。
現在、同部は関東大学リーグ3部に位置。20年以上もこの状態が続いているが、個々人のレベルは高く、近年多くの選手がタイトルを獲得している。 昨年行われた第56回関東大学ボクシングトーナメント(3部)で団体戦3位に入賞。李冽理選手は大学1年から同大会個人戦で3連覇の快挙を成し遂げた。 今年度の大会では、禹泰秀選手が優勝、高正浩選手は準優勝しており、その実力に注目が集まっている。 主将の尹文鉉選手は、「朝高ボクシング部出身の選手たちが中心となって、しっかりひとつにまとまった部にしたい。今までは指導者がいなくて、モチベーションを保つのが難しかった。これからはコーチ、選手共に切磋琢磨(せっさたくま)して徐々に結果につなげていきたい」と語った。朱コーチも「しっかり練習を積めば、必ず2部進出を果たせる」と意欲満々だ。 現在、朝大ボクシング部OBたちは、来春をめどに後援会を立ち上げるための準備を進めている。 「朝大ボクシング部を強くさせたい」−同胞ボクシング関係者の熱い思いは着実に動き始めている。 [朝鮮新報 2004.10.14] |