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そこが知りたいQ&A−新潟県本部、記念館の固定資産税減免撤回訴訟の第1回口頭弁論が行われたが

 総連新潟県本部と祖国往来記念館に対する固定資産税及び都市計画税減免措置を新潟市が撤回、課税したことを不当だとして、総連県本部と祖国往来記念館管理会が起こした訴訟(3月25日)の第1回口頭弁論が5月23日、新潟地方裁判所で行われた。この日の弁論では李主R・総連新潟県本部委員長が陳述した。第1回弁論が行われたのを機に、この問題についてQ&Aで見る。

 Q 第1回口頭弁論までの経緯は。

 A 歴代の新潟市長らは新潟県本部と祖国往来記念館に対して、1982年頃から朝鮮の在外公館にあたるものとして、また日朝両国の親善友好関係に資する施設と認め、新潟市税条例第67条1項2号の「公益のために直接専用する固定資産」に該当するとして固定資産税等を減免してきた。ところが2003年度に至って、突然、減免を撤回。04年には、減免を改めないばかりか、祖国往来記念館管理会に対する減免割合を著しく低下させた。

 総連県本部などは同処分を不服として、昨年6月、市に対し異議申し立てをしたが、同年12月に棄却された。県本部と祖国往来記念館管理会は今年3月25日、新潟市に課税取り消しと税の減免を要求する訴訟を新潟地裁に起こした。

 Q 弁論では何が行われたのか。

 A この日の弁論では、総連新潟県本部の李主R委員長が陳述した(内容は別項)。李委員長は、朝・日間に国交がない状態で、総連が日本国民との友好親善のための外交代表部格の使命と役割を果たしている点を、実際の活動内容を挙げながら強調した。新潟出張所の祖国往来記念館に関しても6つに分けて業務内容を説明し、「祖国往来記念館は祖国を訪問する同胞たちと日本市民たちの便宜を図るため、広く公に利用されており、倉庫に至っては訪問同胞たちの荷物を集結するだけでなく、支援物資を集結する場所として使われるなど、多方面に利用されている」と指摘している。

 そのうえで、会館に対する減免措置が実施された時から今日に至るまで、法律上の変更、総連の活動内容の変化がないにもかかわらず、「拉致問題で市民感情が悪い」との根拠で突然減免撤回を行ったことに疑問を呈した。委員長は「市当局の課税処分が、理不尽な政治的意図を持つ、許しがたい民族的弾圧である」と怒りを露にした。

 Q 今後の展開は。

 A まだ1回目の弁論が終わったばかりなので何とも言えないが、委員長の陳述を見ても明らかなように、総連側の主張が正当であることは明らかだ。拉致問題以降、各地の総連建物に対する固定資産税問題が起きているが、4月には熊本地裁が「(朝鮮会館が)公益性を備えた公民館類似施設に該当する」として、減免措置に違法性はないとの判決を下した。これは初の司法判断として、他の裁判に影響を与えるのは必至だ。(文聖姫記者)

総連県本部委員長の陳述書

[朝鮮新報 2005.6.4]