〈U−17サッカー世界選手権〉 朝鮮代表ベスト8入り チョ・ドンソプ責任監督に聞く |
【平壌発=李相英記者】既報のように、9月15日から10月2日までペルーで行われたFIFAU−17サッカー選手権大会で朝鮮代表がベスト8に入った。アジアで1995年大会以来、10年ぶりのベスト4進出を狙い、準々決勝でブラジルと接戦を繰り広げたが延長戦のすえ惜しくも敗れた。しかし、ペルーの地に朝鮮サッカーの強烈な足跡を残した。チョ・ドンソプ責任監督に大会を振り返ってもらい、これからの目標について聞いた。 −ベスト8の要因は何か?
世界の強豪チームと対等に渡り合うための準備をしっかり進めてきた。チーム関係者たちは、選手たちが自分の実力を発揮できれば大会でいい結果を残せると確信していた。われわれはベスト8を目標にした。ベスト8進出の要因は選手たちが強い精神力を持って、試合に臨んだことがあげられる。チーム全体的にも選手と監督、役員らが心を一つにして朝鮮のサッカーを世界に見せようという士気が高まっていた。 技術的には、試合のすべての局面で選手たちがきっちり自分の役目をこなした。集団的なディフェンスからすばやい攻撃につなげるチームの特徴がよく機能したと思う。コートジボワールとの試合では前半、早い時間に連続で2点入れ、前半で勝利を決定的なものにしたし、イタリアとの試合でも先取点を入れ、ゲームを有利に進めることができた。 強豪チームを相手にした予選リーグの突破によって、チームの結束力は強くなり、士気も上がった。各国のユース級選手たちが参加した大会で、朝鮮がベスト8に入ったことは朝鮮サッカー界が近年得た大きな成果で、朝鮮サッカーの発展においても意義深いことだと言える。 −試合をどのように評価しているか。
選手たちは、4試合を通じて攻撃、守備のバランスよく保った。個人の技術は決して高くはないが、みんなの力でベスト8まで上がることができた。選手たちは今大会を通じて大きく成長した。朝鮮サッカーに対する誇りを持ったことだろう。 チェ・ミョンホ選手は3ゴール、キム・キョンイル選手とキム・ククチン選手がそれぞれ2ゴールを入れた。このミッドフィルダーの選手らがチームに大きく貢献した。 −サッカー強豪国と呼ばれるブラジルと対戦した感想は。 われわれのサッカーも世界レベルに到達できる、と確信したことだ。 選手たちにとっても、今大会は何にも代えがたい貴重な経験となった。世界最強と呼ばれるブラジルとの試合では、本来の実力を押さえ込むようたくさんの人数でディフェンスをし、ボールを奪ったあと、すばやい攻撃でカウンターを試みた。延長戦で2ゴールを奪われ敗れたが、前回大会優勝チームと前後半90分間を1−1のスコアで対等に渡り合えた。ブラジルは確かに強かったが恐れる必要はない。選手たちは十分に戦える自信を得たことだろう。 −イタリアを押さえてベスト8に進出した今大会が、1966年のワールドカップ・イングランド大会の「再現」だという声もあるが。
今大会はユース級の大会であり、イタリアとは予選で引き分けた。66年当時と同じではないが 状況は似ているといえるだろう。われわれとイタリアの間には何か因縁があるようだ。 朝鮮人の気質である積極性、粘り強さとともに敏速な動作と瞬間的なスピード。ワールドカップ・イングランド大会では先輩たちがこれを世界に見せた。今大会を通して、朝鮮サッカーの伝統が40年が過ぎた今でも、後代に引き継がれていることをあらためて感じた。 −これからの課題は。 現在のチームには今後の数年間、国家代表選手として活躍が期待される逸材が8人はいる。サッカー関係者らも10代の選手たちに大きな期待を寄せている。これからの課題は中盤でのディフェンス能力の強化とゴール前での決定力を高めることだ。また、攻撃からディフェンス、ディフェンスから攻撃へのすばやい切り替えが要求される。 若い世代の選手たちには国際舞台での経験が大きな力となる。今回の結果に満足せず、選手たちの将来性を伸ばすために全力を尽くしたい。 (関連記事) [朝鮮新報 2005.10.27] |