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〈第11回在日同胞大登山大会〉 長野県の蓼科山、美ケ原 老若男女が一つに集う

 23、24日の両日にかけて、長野県の蓼科山、美ケ原で在日本朝鮮人登山協会結成10周年記念、第11回同胞大登山大会が22都道府県から200余人の同胞愛好家らが参加して盛大に行われた。

登山協会結成10周年、200余人が参加

これからも登山協会を盛り上げようと歓声をあげ記念写真に収まる参加者たち

 祖国解放60周年とともに10周年を迎えた今大会には、総連中央の李沂碩副議長、金尚一文化局長、体育連盟の鄭元海会長も参加した。

 また、南朝鮮の「大韓山岳連盟」のメンバー13人が日本百名山の一つである木曾、駒ケ岳の登山に先駆けて蓼科山を参加者たちと共に登った。

 祖国解放50周年を慶祝して結成された在日本朝鮮人登山協会(以下、登山協会)は95年、長野県乗鞍岳で第1回在日同胞登山大会を行って以来毎年、大会を組織しこれまで北は北海道から南は九州まで14の百名山と7つの地方名山を登り日本列島を縦断した。そして歴史的6.15北南共同宣言発表後、協会の目標の一つでもあった北南朝鮮の8大名山の登山も実現した。

声を掛け合い助け合いながら登る山道は疲れを感じさせない
山で食べるご飯は格別。ガス鍋に朝鮮料理と、女性は準備が完璧

 登山協会は24の都道府県に組織され、傘下支部の下に数百の登山同好会がある。地域での登山同好会の活動は同胞たちの集いの場として根づいている。

 発足当時は60、70代が主流を占めていたが、いまでは40、50代の層にも人気を得て毎年数百人が参加。1、2、3世が集まる「同胞コミュニティ」の場所として定着している。

 今年、10周年の節目を迎えて、登山協会結成当時から発展と活性化に大きく貢献してきた金英会長(80)が、新しい世代にバトンを渡し新会長に金載英氏が選ばれた。

 金英氏は70歳で同協会会長に就任してから10年、体育協会の鄭智海副会長ら役員を中心に登山協会を盛り上げてきた。

 「結成前年に金日成主席が逝去され、同胞が悲しみに臥せている時に同胞が団結し、力を得られる場所を」と思い登山協会立ち上げに力を注いだという。「山は人の心をきれいにしてくれる。そして山には人と人をすぐにうちとけさせる力がある」。

 同大会の顔でもあり、同胞を愛し、いつも同胞の輪の中にいた金英氏は、ユニークなトークとその人柄でいつも参加者を魅了してきた。

宴会恒例の統一列車。みなが一つになって、遠くない統一に向けて走った

 「各地に登山会の活動が広まり10年の間に土台を作ることができた。今度は若い世代が伝統を引き継ぎ、新しい伝統を作って山を通じ豊かな同胞社会を作ってほしい。これからもみんなをバックアップしていきたい」と金英氏は語った。

 金載英新会長は「金英前会長の10年の土台を受け継ぎ、1、2、3、4世と老若男女が共有できる楽しい場所として、今後ますます参加者の層を広げて力強い同胞社会を作るのに貢献できる場所にしたい」と述べ、これからも山を愛する人が集まり「北南朝鮮、そして海外の山を自由に登れることを目標にしてみんなで力を合わせていきたい」と語った。

 東京から参加した申智恵さん(62)は「10年前、東京に引っ越してから友だちがいなく寂しい思いをしていた時にこの大会を知った。参加者の数の多さと活気と情熱、優しさに朝鮮人であることの喜びを感じた。この大会は私の最高の場所」と語る。乾物屋で働いている申さんは毎年夏休みを返上してこの大会に備えたという。10年間皆勤賞で全国に山友だちがたくさんいる。「これからも大会をいろんな人に伝えていきたい」と話す。

 愛知同胞の引率として参加した金成隆さん(22)は「同胞たちの活気に驚かされた。頂上は霧で景色を見ることはできなかったが、いろんな人に出会い話を聞き、景色以上にすばらしいものを見ることができた。再会を喜ぶ同胞たち、宴会の場での同胞たちの笑顔に心を打たれた」と感想を述べた。(盧琴順記者)

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[朝鮮新報 2005.10.29]