〈全国高校サッカー選手権大会大阪府予選〉 大阪朝高 5年ぶり2度目の優勝 |
よくやった大阪朝高、全国へ 第84回全国高校サッカー選手権大阪大会決勝が12日、長居第2陸上競技場で行われ、大阪朝高サッカー部が清風高校を1−0で降し、5年ぶり2度目の出場を決めた。集まった同胞、ウリハッキョの生徒ら約3200人の大応援団は、「イギョラ! 朝高!」と大声援を送った。勝利の瞬間、両手を挙げ、互いに抱き合い喜びを爆発させた。選手権初出場から5年の歳月を経て、チーム一丸となって手にした「全国」出場の感触。しかし、監督、選手たちはそんな間もなく、「次は全国で1勝」としっかりと先を見据えていた。選手権初舞台での1回戦敗退を乗り越え、「他校に一泡吹かせる」と康敏植監督(35)の決意は固い。 3度目の正直
5年ぶりの大阪大会決勝戦、2度目の出場に期待を寄せる同胞ら。選手入場とともに大歓声がわき起こった。 会場には「이겨라 우리 선수, 장하다 우리 선수(がんばれウリ選手、いいぞウリ選手)」「大阪朝高サッカー部、勝利に向かってLet,s Go」などの大きな横断幕が掲げられ、ウリハッキョ生徒らが声援を送った。また、同胞応援席でも選手たちの勇姿を固唾をのんで見守った。 相手は今年の公式戦で1勝1敗の清風高校だ。「3度目の正直はうちが獲る」と勝利を誓う大阪朝高。 一方、5年前の大阪大会決勝戦で大阪朝高に敗れ、全国の切符を逃している清風。今回が絶対に負けられない雪辱戦でもあった。 試合は序盤から大阪朝高が主導権を握った。前半10分以降から徐々に大阪朝高が試合の流れをつかんだ。ゴール前の混戦からのシュート、コーナーキック、ミドルシュートと波状攻撃を仕掛ける。
「そろそろこの辺で入れとかなあかんで」 そんな声が同胞応援席から聞こえ始めた前半28分、右サイドから駆け上がったFWの梁正成選手(3年)がゴール前にセンタリング。ニアポストに走りこんできたMFの金裕士選手(3年)が右足で合わせて左隅に決めた。 金選手は、「目の前にボールが現れたから無我夢中で蹴りこんだら入ったって感じで。うれしくていつの間にかグラウンドを走っていた。大事な場面で決められて良かった」と振り返る。 ホームゲームのような大歓声に包まれた会場は「押せ押せムード」。 大阪朝高の勢いは後半も止まらなかった。完全にペースを握った大阪朝高は、選手交代をうまく使い、一つひとつの局面に対して落ち着いて対処した。「ロスタイム2分」の表示が電光掲示板に現れると、清風高校はパワーゲームへと一転。DF2人だけをおいて全員で攻めあがるも、最後まで1点を死守した大阪朝高が優勝を果たした。 「一泡ふかせたい」 胴上げでもみくちゃにされた康敏植監督の目頭も自然と熱くなっていた。就任1年目で悲願の達成に喜びをかみ締めつつも、「全国大会で1勝するための準備を、残り1カ月でしっかりしていきたい。うちのチームはまだまだ可能性を秘めたチーム。全国大会で『朝高あり』と他校に一泡ふかせたい」と意気込む。 同胞らもうれしさのあまり抱き合い歓喜にわいた。 同胞応援席では、選手のオモニらがそろいの赤いTシャツを着て声援を送っていた。得点した金選手のオモニの高直美さん(46)は、「絶対に勝ってほしいと家族みんなで願っていた。うれしいの一言です」と声を弾ませた。 昨年の同大会でベスト8で終わったというOBの金龍秀さん(19)は、「サッカー部OBらに声をかけてみんなで応援に行こうと呼びかけた。選手権出場は自分たちの目標でしたから、後輩たちが夢を叶えてくれて本当にうれしい」とピッチの選手らを眺めていた。(金明c記者) 大阪朝高の全国大会1回戦の相手は、11月21日、日本テレビ汐留社屋で行われる組み合わせ抽選会で決まる。第84回全国高校サッカー選手権大会は、12月30日(開幕式、開幕戦)〜来年1月9日(決勝)まで東京、神奈川、埼玉、千葉の各競技場で行われる。 [朝鮮新報 2005.11.15] |