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大雨被害復興作業進む 平安南道新陽郡を訪ねて

冬までに住宅建設を完成

 【平壌発=文−李松鶴、写真−盧琴順記者】さる7月中旬に大雨被害に遭った平安南道新陽郡では現在、道と郡から労力が投入され、住宅建設を中心に復興作業が活発に行われている。復興作業の現況を取材するため現地を訪ねた。

家失いテント暮らし

沸流江上流で行われている平原村堤防工事

沸流江上流で建設に必要な砂と石を採取している

道路復興工事の現場

 「あまりにも外が騒がしかったので、明け方4時半頃に家の外に出ると、もう水が胸の高さに達していた。まさか沸流江の水がここまで上がってくるとは想像すらできなかった。ひたすら家族の手を引いてアパートに避難した時には家財道具とともに家が流れていった」

 新陽邑に住むチェ・オクリョさん(68)は当時をふり返りこう述べた。

 新陽郡は陽徳郡、成川郡とともに最もひどい被害に遭った地域のひとつだ。

 大雨が降った当時、同郡では川水の高さが6〜7メートルも上昇し、ほぼ全ての地方産業工場、企業所と多数の住宅、店舗が水に流された。

 垣根とアパートには今でも浸水の跡がはっきりと残っている。

 新陽郡は道路がよく整備されている郡として知られているが、今はその面影を見ることすら難しい。

 2312世帯が住む住宅649棟が全壊した。大雨で沸流江辺の多くの部分が削られた。

 被災者は現在、全国各地と朝鮮赤十字会を通じて寄せられたテントで生活している。食糧と生活必需品は適時に供給されているという。

 テントで生活するチョン・ヨンシクさん(43)は、「正直いって生活は少し不便。

 でも食べものと生活必需品は十分供給され、また、各地からボランティアが訪れて住宅建設に取り掛かってくれているので全く不安はない」と語った。

128棟の基礎工事終了

新陽郡人民委員会のハン・トクヒョン事務長

 新陽郡人民委員会のハン・トクヒョン事務長(49)は、「郡では、平壌と元山へ行く道路の復興を最優先させた。今では道路は完全に復興し、水害被災者の住宅建設に全力を注いでいる」と説明した。

 郡では現在、1150世帯が入居できる128棟のアパートが建設されており、基礎工事を終えた。農村住宅135棟の建設も行われている。

 「間もなく冬もやってくるが、それまでには住宅建設を終える計画だ。労力は十分なほど確保されており、資材だけ入ってくれば一気にできる見通しが立っている」(ハン事務長)。

 一方、大雨のため崩れた堤防を拡張再建する事業も併行して行っている。

 ハン事務長は、「大雨で、今まで整備してきた郡のインフラが破壊されてしまったが、幹部はもちろん人民らも時代のニーズに合ったすばらしい郡にするという信念に満ちて働いている」と語った。

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[朝鮮新報 2006.9.20]