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〈福岡朝鮮歌舞団40周年記念公演〉 同胞の愛情に支えられ

1200人が観覧、大盛況

 福岡朝鮮歌舞団創団40周年特別記念公演「道」が16日、福岡市民会館で行われた。総連中央の金尚一文化局長、福岡など九州地方の各総連本部委員長をはじめ、九州地方の同胞や日本市民ら約1200人が観覧した。1966年9月に創団、福岡県内をはじめ沖縄や対馬でも公演を行ってきた同歌舞団は、同胞たちの愛情の中で歩んできた40年間を第1部「私たちが歩んできた愛の道」、第2部「私たちが歩む希望の道」でつづった。

長蛇の列

朝鮮民謡に合わせ舞台と観客が一つになってオッケチュムを披露

合唱「我らの誇り永遠なれ」

会場は1200人の観客でにぎわった

 この日、九州地方は台風13号の影響であいにくの雨模様。しかし、開場1時間前には「昔の団員の姿が見たくて」「久しぶりの歌舞団の大舞台」などと、公演を心待ちにする観客の長蛇の列ができた。

 第1部「私たちが歩んできた愛の道」には歴代団員が出演した。

 歌と踊り「みんなで歌おう! チャンダンに合わせて」で幕が上がると、会場からは20年、30年ぶりに舞台に立ったかつての団員たちの姿に懐かしさや驚き、喜びの声があがった。

 つづいて、40年の歩みをふり返る映像が流れる中、草創期の団員たちが当時の思い出を語った。舞踊「ヤンサンド」「チャンゴの舞」、カヤグム併唱「明るい月夜」など、現役さながらの生きいきとした舞台に観客は惜しみない拍手と歓声を送った。

 第2部「私たちが歩む希望の道」では、5人の現役団員がチャンゴ演奏、「希望の歌」メドレー、舞踊など斬新なステージを繰り広げた。とくに、朝鮮の民謡「アリラン」と日本の童謡「赤とんぼ」の調べを用いて創作された今公演特別演目の朝・日合作舞踊「とんぼアリラン」(出演−西川鯉近、文香蘭)は絶賛を浴びた。

 この日、会場には各地の歌舞団団員たちも駆けつけ、福岡朝鮮歌舞団創団40周年を祝した。

 また、民謡メドレーではステージと客席が一体となり、朝鮮民謡に合わせオッケチュムが披露されるなど大盛り上がりを見せた。

舞台は8畳

舞台と客席が一体となり、楽しい踊りが繰り広げられた

 わずか8畳の分会事務所をはじめ、同胞たちのいるところすべてが舞台だったと、20年、30年ぶりに舞台に立った歌舞団OBたちは当時を懐かしくふり返った。

 70年代に舞踊手として活躍した卞寿蓮さん(57)は、「昔は、分会を訪ね同胞たちの前で総連の活動方針や情勢を解説したり、歌や踊りを披露し、同胞の家に泊まったりした。大変なことも多かったけれど、希望に満ちていた」と述べ、「子どもにも舞台姿を見せたことがない。ちょっと恥ずかしい」と照れた。

現役団員による「希望の歌」メドレー

 ゙一男さん(43)は、「同胞のいるところなら、アコーディオンひとつ持って出かけ即席の公演。同胞たちの喜ぶ顔がすぐ近くにあった。ひさびさに舞台でライトを浴びると血が騒ぐ」と笑った。

 今回の出演の話を受けたとき、多くのOBたちが「今さら」と、出演を躊躇したという。しかし、あるOBはこの話をきっかけに、青春時代の思い出が再びよみがえり、出演を決意した。

舞踊「太鼓の舞」(文香蘭、金妙穂)

 公演には出演できなかったが、ビデオメッセージを送ってきたプロミュージシャンの白竜さん(本名−田貞一、72〜74年に在籍)は、福岡の同胞が多く住んだ「金平団地」で暮らし、チャンゴや歌の練習に明け暮れた当時を懐かしみながら、「あの時の発声練習がプロデビューへとつながった。民族の誇りをもってがんばっていきたい」と述べた。

 この日の公演には、歌舞団の40年をいつも見守ってきた総連、女性同盟福岡県本部の顧問たちと佐賀チャンゴサークルが特別出演。合唱とチャンゴ「誇り高きわが民族」を披露した。朴明緒顧問(76)は、「福岡は歌舞団なしでは考えられない。いつも活気に溢れ、同胞たちに愛されてきた。これからもその精神を受け継いでいってほしい」と力強く述べた。

 歴代団員たちによるステージは、終始アンコールと拍手で包まれた。(呉陽希記者)

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[朝鮮新報 2006.9.22]