在日同胞プロサッカー選手 安英学 Kリーグに移籍 「夢はヨーロッパでのプレー」 |
1月23日、在日同胞プロサッカー選手の安英学選手(27)がJリーグの名古屋グランパスエイトから1年契約でKリーグの釜山アイパークに移籍、入団会見したというニュースが飛び込んできた。会見で「Kリーグの次は、ヨーロッパでプレーすることが夢」と語るその目は希望に満ちあふれるものだった。「在日の星」−同胞たちは安選手の活躍ぶりを見てこう形容する。そんな同胞のヒーローが日本を発つことに驚きを隠せずにいたが、プロサッカー選手として夢を実現させるための新たな挑戦に関係者らみんながエールを送った。「朝鮮代表、在日同胞の代表」のプライドを胸に3月の開幕戦でのスタメン出場をめざす。 まずはレギュラーに
2002年、安選手はアルビレックス新潟に入団し、Jリーガーとしてデビューした。同年9月、ソウルでの北南統一サッカー代表選手に初選出され、04年9月〜05年6月まで活躍、名古屋では1シーズンを過ごした。 J2リーグでは68試合(4ゴール)、J1リーグでは47試合(3ゴール)の計115試合に出場した。タフで活力に満ちた献身的なプレー、言葉の端ににじみ出る謙虚さや思いやりが人々の心を魅了した。 そんな安選手のJリーグ時代の夢は「ヨーロッパでのプレー」だった。プロサッカー選手なら、誰もがトップレベルのヨーロッパでプレーしたいというが、安選手もその一人。そのステップとして選んだのがKリーグだった。
「去年2月9日、日本代表(W杯予選)との試合ではたくさんの人が応援してくれた。南でも期待したい」と移籍前に語った。 朝鮮籍のまま南でプレーするのは、01年の梁圭史選手(28、広島朝高卒、蔚山現代でプレー)に続いて2人目。朝鮮代表選手としては初めてとなる。 多くの人たちの支援で移籍が実現した。「在日同胞みんなの期待に応えたい」と意気込む。 会見では、「まずはレギュラーとして試合に出場することが第一の目標。2つ目はチームの優勝だ。全力を尽くしたい」と決意を述べていた。 成長した姿みせたい
安選手は釜山との正式契約に先立ち、在日本朝鮮人蹴球協会、在日本朝鮮人体育連合会をはじめ同胞体育関係者やさまざまな同胞らと会い話を交わした。 関係者らの思いは共通していた。蹴球協会の文章弘会長は、「少しの間、在日同胞のそばを離れ南でプレーすることになるが、朝鮮の海外公民らしく、民族教育を受けた在日同胞らしく礼儀正しく、また正々堂々とプレーしプロとしての本領を発揮してほしい」とエールを送った。 安選手は、今回の釜山行きを支援してくれた多くの人たちへの感謝の気持ちを忘れていない。 「自分は朝鮮の代表であり在日同胞の代表。文会長や先輩方の気持ちもわかっている。プロサッカー選手として朝鮮が僕にくれた期待に応えたいという気持ちでいっぱいだ。Kリーグでプレーすることになったが、僕を応援してくれた在日同胞たちの前に成長した姿を見せたい。2010年、W杯南アフリカ大会アジア予選で再び朝鮮代表としてプレーできるようがんばりたい」 2006年Kリーグは3月12日、7会場でいっせいに開幕する。安選手が所属する釜山アイパークは初戦で仁川ユナイテッドと対戦する。安選手は現在、スタメン入りを目指して黙々と練習に励んでいる。(金明c記者) (関連記事) 安英学選手、名古屋同胞と深いきずな 「朝鮮の看板で堂々とプレーを」 [朝鮮新報 2006.2.23] |