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第7回全国高校選抜大会に初出場 東京朝高ラグビー部 まずは1勝、「花園」へつなげたい

 東京朝鮮中高級学校ラグビー部が4月3〜9日、埼玉・熊谷ラグビー場で行われる「第7回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会」に初出場する。実行委員会が決める「チャレンジ枠(全国から2校)」に選出されてのこと。試合を勝ち抜いての出場ではないが、同校ラグビー部が全国レベルに近い実力を備えているという評価に値する。「まずは1勝」と監督、コーチ、選手たち全員が一丸となって大会へ向けて練習に励んでいる。

強豪校ひしめく大会

「気持ちで負けない」と意気込む東京朝高ラグビー部

 選抜大会は、毎年冬に行われる全国選手権大会と同じ意味合いを持つ。場所こそ日本ラグビー界の聖地「花園」ではないが、全国レベルの強豪校がひしめく大きな大会だ。地上波でテレビ放送されないため認知度は低いが、高校ラガーマンらがこの大会に賭ける意気込みは強い。

 大会には各9ブロックの予選を勝ち抜いた20校と開催県1校、前年度優勝の1校、「チャレンジ枠」で選出された2校が参加する。冬の全国大会に比べ、参加校は半分。大会で優勝すると93年から毎年行われている国際スポーツ大会「日、韓、中ジュニア交流競技会」に参加できる。

 「チャレンジ枠」は実行委員会が選出するもので、長年高い実力を持ちながらも同地区に強豪校があるため、なかなか全国大会・ブロック大会に出場できないチームに全国レベルのチームと試合をする機会を与えることを目的としている。これに東京朝高ラグビー部が選ばれたわけだ。

高まったモチベーション

大会へ向けて猛練習に励む部員たち

 近年、東京朝高ラグビー部は、都大会でつねにベスト4に入る実力を持ち、今年は都新人大会でブロック初優勝し、初のタイトルを獲得した。

 チームを指導するのは、申鉉秀監督(40)。監督に就任し16年目。「全国レベルの高校と試合ができる願ってもないチャンス」と意気込む。

 申監督はこの間、つねに「花園」出場を目標に置き、チーム作りに励んできた。2000年、「花園」へのキップを賭けた第80回全国高校ラグビー大会都予選決勝に進んだ同部は、惜しくも東京高校に7−13で敗れた。「あれから選手たちに明確な目標ができ、モチベーションが高まった。努力すれば手が届くんだとみんなが自信を持った」と振り返る。

 チームカラーは「オールアタック、オールディフェンス」。みんなでラグビーをするという意識を持たせている。そして「ラグビー選手である前に、朝高生」ということをつねに伝える。「日常生活でもプレーでもウリマルで。それが基本」。

 今回の出場について、「とにかく1勝。徐々にプレッシャーを感じているが、『花園』へつなげるきっかけにしたい」と語る。

OB、同胞らもバックアップ

 現在、部員は1、2年生を合わせて約40人。これだけの大所帯となると監督一人では目が行き届かない。

 そこでコーチの力が必要になってくる。今は2人の若手コーチが選手育成に励んでいる。同部OBで同校教員の呉昇哲コーチ(27)と大阪朝高ラグビー部出身で同校教員の邵基学コーチ(24)だ。3人体制になってまだ2年と日は浅いが、「指導体制が整い、チームが強くなったのは確か」と周囲は口をそろえる。

 フォワードを指導する呉コーチは、力がつきはじめた理由を「選手たちの意識変化」にあると語る。それは昨年の全国大会都予選準決勝で国学院久我山に敗れたことが要因となっている。「3年生の意思を継いで1、2年生たちが『自分たちもやればできる』と強く思って練習、試合に臨んでいることが一番大きい」。

 一方、バックスを指導する邵コーチは「引退した3年生が最後まで練習に出てチームを見てくれていた。そうした先輩たちのバックアップ態勢もあり、徐々に力がつき、強豪校にも1、2トライ差までに迫れるようになってきた。全国大会で今後につなげられる試合ができれば」と語った。

 チームを引っ張る文炯駿主将(4月から3年)は、「1戦1戦を大事に戦いたい。ほかの高校に技術で劣るかもしれないが、気持ちでは負けない。やるからには優勝したい」と誓う。

 大会出場前の24日にはOB、学父母、選手たちが集まり壮行会が行われ、25、26の両日には東京朝高グラウンドで国学院久我山との練習試合が行われる予定。(金明c記者)

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[朝鮮新報 2006.3.23]