東アジアカレッジ・フレンドシップ・カップ2006 初代覇者は駒沢大、準優勝は朝大 |
大学サッカーの発展、交流促進を 「東アジアカレッジ・フレンドシップ・カップ2006」(主催=全日本大学サッカー連盟、関東大学サッカー連盟、朝鮮大学校サッカー部OB会)の第1回大会が1日、駒沢陸上競技場で、3日、朝鮮大学校グラウンドでそれぞれ行われた。 今大会は朝鮮大学校創立50周年を節目に、サッカーを通じて東アジアの親睦と交流を深め、各地域の大学サッカーの発展に寄与することを目的に開催された。 大会には今年度の東京都大学リーグ1部で春季、秋季で優勝した朝鮮大学校、韓国ユース代表を擁する漢陽大学校、中国1部リーグに昇格した北京理工大、昨年の全日本大学サッカー選手権で優勝した駒澤大学の4チームが参加。初日の試合では、駒澤大が北京理工大を4−1で、朝大が漢陽大を2−1で降して決勝へ駒を進めた。 3日の決勝では、接戦をものにした駒澤大が朝大を2−1で降して優勝。3位は漢陽大。また、試合に先立ち朝大グラウンドに新たに人工芝が敷かれたことを記念してテープカットが行われた。試合終了後は同大食堂でレセプションが催され、各大学の関係者と選手たちが交流を深めた。(文=金明c、写真=文光善記者) ホスト校の意地
1日、駒沢陸上競技場での初戦。まずは駒澤大と北京理工大が対戦した。駒澤大は昨年度の全日本大学選手権と関東大学リーグで優勝した大学サッカー界の雄。一方の北京理工大は、今年度の中国大学サッカーリーグチャンピオンで、中国サッカーリーグ(Cリーグ)の1部昇格を決めており、いずれも強豪校だ。 試合を優位に進めたのは駒澤大。ボールを奪ったあとの展開、技術ともに一つ上をいっていた。決定機を見逃さず4−1で北京理工大に圧勝した。 つづく試合は朝大と漢陽大。朝大は今年の春と秋の都リーグ優勝で勢いに乗る。同大が創立50周年を迎え、さらにホスト校である以上、負けられない意地があった。一方の漢陽大は大学選抜、ユース代表を擁しているチームで名門校だ。 両校選手たちは試合前に記念品の交換、記念撮影に興じるなどしてピッチは友好的な雰囲気に包まれていたが、試合が始まると表情は一変。互いに激しくぶつかり合った。まず先制したのは漢陽大。前半18分に左サイドで得た直接FKをゴール右すみに決めた。 リードされた朝大は同点弾を狙い前線のプレスからボールを奪って、サイドからの展開で攻撃に出た。その流れの中、朝大は37分にPKを得る。FWの呉裕人選手がきっちり決めて1−1とし、同点のまま後半へ。幾度もの決定機を作りだした朝大は36分、中央から右サイドに流れたボールを途中交代したFWの崔仁洙選手がシュートし、ゴール左隅に決めた。2−1で逆転した朝大がそのまま逃げ切り決勝へ進んだ。 関東1部のプライド
3日の朝鮮大学校グラウンド。生まれ変わった緑の人工芝のピッチが、太陽に照り付けられてさんさんと輝いている。東アジア大学生の実力がどれくらいのものか一目みようと、この日のために作られた仮設スタンドは多くの観客たちでにぎわった。3位決定戦は漢陽大と北京理工大。前後半90分でも決着がつかず、PK戦へ。しっかり決めた漢陽大が4−2で勝利し3位となった。 注目の決勝戦。関東1部の駒澤大に、都リーグ1位の朝大がどれだけ食らいつけるのかが見ものだった。 地元開催だけに負けられない朝大の意地。一方、関東1部のプライドが駒澤大にはあった。両者のプライドはピッチで激しくぶつかり合った。
「相当な意気込みでくることは予想していた。こっちの気を引き締めないといけないと思っていた」とは駒澤大の岡田誠史コーチの言葉。その予想通りの展開となった。序盤から朝大はMF崔光然、尹成昊選手の左と右サイドの果敢な攻撃からチャンスを演出。FWの金成勇、呉裕人選手も果敢にゴールを狙った。駒澤大は朝大の素早いプレスに苦しむも、徐々にリズムをつかむと後半終了間際、ゴール前にあがったボールを混戦の中からキーパーと競った相手FWがヘディングで決めた。0−1で迎えた後半戦。同点を狙う朝大が怒とうの攻めを見せる。そして前半10分、右コーナーキックから金成勇選手が頭で合わせて同点のゴール。そして後半30分が過ぎたところで駒澤大エースの巻佑樹選手が投入された。日本代表でジェフ市原の巻誠一郎の弟だ。 これで勢いづいた駒澤大は、朝大に疲れが見え始めた後半41分、右コーナーキックから巻選手が頭で合わせてゴール。そのまま時間が過ぎ1−2で試合終了となった。 「人工芝」とてもいい
駒澤大の岡田コーチは「普段経験することのできない緊張した雰囲気の中で試合ができたのがよかった。朝鮮大も関東2部の実力があると思う。今日のようなモチベーションで試合ができれば関東1部でも十分にやっていけると感じた」と健闘を称えた。 朝大の崔竜海監督は、「朝大が創立50周年を迎え、OBたちの期待に応えようと選手たちはいつも以上に実力を発揮した。大会を通じ、東アジアの交流において今後、朝大が果たしていく役割が大きいと実感した」と語った。 朝大の厳貴聖主将(体育学部4年)は、「強いチームとできていい経験だった。決勝は接戦だったが、すべての面で課題の残る試合だった。今後関東2部昇格へ向けて練習に励んでいきたい」と固く決意していた。 各校監督たちも今大会の参加意義を強調する。 北京理工大の金志揚監督は、「大会の参加は、中国の大学生のサッカーレベルの向上につながるいい機会だ。朝鮮大のグラウンドは人工芝でよく整備されていてとてもうらやましい。今後も朝鮮、韓国、日本のサッカー交流がますます深まっていけば」と語った。 漢陽大の韓文培監督は、「朝鮮大との試合は勝負を通り超して同じ同胞愛を感じたし、みんなが一つになって組織的なサッカーをする印象を受けた。今後、韓国で大会が開催されるならば、朝鮮大の選手たちにはぜひ大学に来て交流を深めてほしい。朝鮮の大学生の選手たちも参加する機会があればいい」と語っていた。 同大会は今後、東アジア各国の持ち回りで開催することを予定している。 [朝鮮新報 2006.12.6] |