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東京で日本女性ら集会 在日朝鮮人弾圧 「日本人の問題、恐れずに行動を」

「非人道行為、許さない」 アピール採択

 朝鮮半島の非核化にむけて6者会談が進展し、各国の対話努力が続く一方、日本当局による総連や在日朝鮮人への弾圧は止まる気配がない。「このままでは相互不信が深まるだけではないのか」との懸念を抱き、敵視と対立から対話と和解に向けて「私たちに何ができるのか」「ともに考え、話し合いたい」と3月24日、「在日朝鮮人の人権と日・朝の平和を考える女性のつどい」(以下つどい)が東京都文京区の文京区民センターで行われた。

「仲の良い友人として」

主催者を代表してあいさつする清水澄子さん

 つどいの主催者は朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会。全国的に呼びかけを行い、関東地方を中心に120余人が参加した。

 つどいではまず、主催者を代表し、I女性会議の清水澄子常任顧問があいさつした。つづいて、立教大学の李鍾元教授が6者会談と朝鮮半島の非核化について、康永官・総連中央元財政局長の弁護を担当した吉峯啓晴弁護士が在日朝鮮人の人権問題に関わった経験について発言した。

 つづいて女性同盟中央の丁煕子副委員長が昨年、総連施設と在日朝鮮人に加えられた弾圧について映像をまじえて紹介。東京オモニ会連絡会事務局の厳広子さんは、朝鮮学校に子どもを送る親として「子どもたちに肩のすくむ思いをさせたくない」「民族意識の目覚めはポジティブなものであってほしい」と訴えた。会場からは大きな拍手がわきおこった。

 三多摩で活動する都丸泰江さんは、「立川の朝鮮学校(西東京朝鮮第1初中級学校)の校長先生から朝鮮学校の児童たちにも被害が及んでいるという事実を知らされ胸が痛んだ。知ったことから地域で伝えていこうと思う。過去を踏まえ未来をどう築いていくのか真剣に話し合っていきたい。在日の方々とは仲の良い友人としてこれからも付き合っていきたい」と話した。

偏向したマスコミ報道

 つどいでは、日本のメディアの偏った反朝鮮、反総連報道についても指摘された。

 高木睦子さんは、自身が暮らす富山県には在日朝鮮人が少なく、交流する機会も少ないが、「地域ごとに意識の差があるのは確か。このような状況下で、常に接しているマスコミ報道の本質を見極めなければならない。そのうえで(日朝)関係改善の土台を築ければ」と話した。

 この日、つどいは予定した3時間を超え、参加者たちは在日朝鮮人の人権問題と朝・日間の平和について認識を深めた。

 司会を務めた重藤都さんは、「今日多くの話を聞き考えることができたが、これだけやればいいということではない。まず、報道を分別したり人権問題を考えるセンスを養うべき。社会への疑問に黙っていてはいけない。おそれずに行動することが重要だ」と感想を述べた。

 つどいでは、アピール文が採択された。(呉陽希記者)

つどいのアピール(要旨)

 私たちは6者の合意にもとづいて非核化が履行されていくことに期待し、注視していきたい。

 このたびの6者会談における日朝作業部会が実質協議がなされずに終わったことをきわめて残念に思う。

 日本政府は「日朝平壌宣言にそって話しあう」と言いつつ、対話への努力をせず、圧力と制裁を強める一方だ。安倍首相自ら「従軍慰安婦問題」において「河野談話」を否定する発言を行うなど、過去の戦争犯罪を否定し、対話の環境を壊している。

 さらに日本政府は朝鮮に対する独自の制裁を追加し、在日朝鮮人に対する不当な人権侵害と政治弾圧を繰り返している。

 日本社会で共生していこうとする在日朝鮮人のこれまでの苦労とたたかいの歴史を否定し、未来への希望を根こそぎ奪うような非人道的行為を、私たちは許すことはできない。

 在日朝鮮人の人権侵害を見過ごすことは、私たち自身の人権を投げ捨て、自ら憲法を否定することだ。私たちは日本政府に対し、在日朝鮮人に対する抑圧をやめるよう働きかける。

 日朝平壌宣言にもとづき、植民地支配、侵略戦争の謝罪、清算を果たし、相互不信を解き、対話のなかから懸案を解決し、日朝国交正常化を実現することを日本政府に求める。

 私たちは日本と朝鮮の平和を願い、朝鮮半島の非核化、東北アジアの非核平和実現に向けて、真しに努力するよう、日本政府に働きかける。

 隣人である在日朝鮮人と共に助け合い、相互信頼と友情をさらに深めていきたい。

在日朝鮮人の人権と日・朝の平和を考える女性の集い 発言要旨

[朝鮮新報 2007.3.30]