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朝鮮人民の眼に映る日本の姿 「恥ずかしい非人間的な行為」

洪水被害 助け合うのは当然

金日成総合大学の学生たちと交流した「日朝友好学生の会」の学生たちと在日本朝鮮留学生同盟の訪朝メンバーたち

 「日朝友好学生の会」訪朝団(10人、団長=浅野健一同志社大学教授)の一員として、8月18日から22日まで、朝鮮民主主義人民共和国(以下朝鮮)を訪れた。

 徐々に経済が立ち直っているためか、前回、昨年11月の訪朝時より人々の表情が明るく、市民の服装がカラフルになり、車の往来も一段と増えていた。街全体の雰囲気に余裕が見られた。

 ただ不幸にも、朝鮮全体が大規模な水害に見舞われていた。平壌市内を流れる大同江は水かさが大幅に増し、茶色く濁っていた。市外へ伸びる道路はところどころ寸断され、土砂崩れを起こしていた。

平壌市内をカメラ撮影する訪朝団

 復旧作業現場では若い人が目立った。男女問わず真っ黒になって、つるはしやシャベルを持って懸命に汗を流している。デスクワークの職種の人も、緊急時なので自主的に作業に行くそうだ。朝鮮人民は、国民総動員で「一心団結」して国の危機的な状況を乗り越えようとしている。

 われわれを案内してくれた対外文化連絡協会職員は「耕地面積の10%以上が流失し収穫に大きな打撃がある。住居などのインフラにも甚大な被害が出た」と話した。

大同江のほとりで釣りを楽しむ市民

 韓国は493億ウォン(約60億9600万円)の支援を決定し、セメント・鉄筋の援助もしている。EUは200万ユーロ(約3億円)の支援計画を決定した。米国政府と民間団体はすでに、医薬品、建築資材など800万ドル(約9億2600万円)相当の支援をチャーター便を使って始めている。

 しかし一方で、日本政府は9月7日に半年間の経済制裁措置延長の方針を固めた。総連が支援物資を朝鮮に運ぶため、同日に出した「貨物船入港許可を求める要請書」に対して、安倍首相は不当にも受け取りを拒否し文書を返送した。

 政府の非人間的な行為は日本人の一人として本当に恥ずかしい。隣国の人が困っているときには人間として助けるのが当然だろう。もちろん、半田市赤十字奉仕団、各種NGOなど支援を行っている日本人有志もいる。われわれ訪朝団も18日、留学同の仲間と共に京都市内で街頭募金活動を行った。

昨年訪朝した時より、人々の表情が明るく、車の往来も増えた

 8月下旬の南北首脳会談は、水害復旧作業のため10月初旬に延期された。しかし、「6.15時代を輝かせる」「祖国統一を願う」と言う朝鮮人民の間では、依然として期待が高まっている。

 滞在中、日本帝国主義の強制連行被害者に話を聞くことができた。ホン・チャンジュン氏(81)は、「16歳で日本に連行され、神戸製鋼所(現「神戸製鋼」)で一日14〜16時間働かされた。ろくに食べさせてもらえず、殴られすぎて今でも左の耳が聞こえない」と被害経験を話した。

 そして、日本当局の総連弾圧にも触れ、「弾圧が極度に至り、平和を愛する朝鮮人民の憤激を勃発させている。終局的には総連をなくすのが安倍一味らの目的だ。日本全域での弾圧策動は、過去、日本が朝鮮ではたらいた犯罪行為を連想させる。日本政府に謝罪と補償を求める。これは日本自身のためでもある」と述べた。(森類臣 同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻、写真は筆者提供)

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[朝鮮新報 2007.9.19]