国際テコンドー連盟（ITF）の張雄総裁（国際オリンピック委員会委員）をはじめ、朝鮮テコンドー委員会の黄鳳英委員長を団長とする朝鮮テコンドー委員会師範団（男女選手ら計４８人）が６日から９日まで南朝鮮を訪問し、春川（７日）とソウル（８日）でそれぞれ師範行事を行った。

　テコンドーは、民族分断を背景にITF、世界テコンドー連盟（WTF）の２つの機構が存在してそれぞれ活動してきたが、今回の訪問に先立ち３月３１日、北京でテコンドー統合調整委員会第１回会議（別項に詳報）が開かれるなど、最近、民族武道の統合に向けた動きが活発化している。

「シュッ」の気合いで撃破　護身術、健康体操も披露

バイクを飛び越え命中 [写真＝聯合ニュース]

躍動感あふれる型を披露 [写真＝聯合ニュース]

　春川で行われた行事で北の師範団は約１時間、▼北のテコンドーの型▼中高年用の「健康テコンドー」（北で流行している健康体操のひとつ）▼各種撃破▼護身術などを披露した。

　このメニューの中でも、選手らが型や撃破で重要な動作に入る前に「シュッ」という掛け声をあげながら気を伝達したり、組手でヘルメットなどの安全道具を着用せずに手のグローブや足の装具だけを着用したことなどは、南のテコンドーとは異なり、大きな注目を集めたという。

　南のメディアは、「（南の）ファンに北のテコンドーの真髄を見せ熱烈な拍手喝采を浴びた」（ハンギョレ新聞）と伝えた。

　選手らが多くの板や瓦を同時に割るパフォーマンスを見せると、会場は拍手でわき、とくに私服姿の女子選手が数人の男性を相手にした「護身術テコンドー」は大きな関心を集めたという。

　進行、司会役を務めたキム・ヨンウォルさん（45）は、「気迫にあふれ、健康にも良い北のテコンドーを見せることができてうれしい」「これを契機に北南テコンドー交流が活発になってほしい」と話した。

シドニー五輪共同入場実現の主役ら再会

素手で７枚の瓦を一撃 [写真＝聯合ニュース]

　張雄・ITF総裁とキム・ウンヨン・WTF元総裁が９日、ソウル市内のホテルで３年８カ月ぶりに再会し、メディアの注目を集めた。

　IOC委員の張氏とIOC副委員長を務めたキム氏は、２０００年のシドニー・オリンピックで史上初となる歴史的な北南共同入場を実現させた主役として知られている。今回の対面は、０３年８月の大邱ユニバーシアード大会以来のこと。

　席上、キム氏が「南北スポーツ交流事業の扉を開いた私たちの対面に大きな関心が集まっている」と述べると、張氏は「一番感動的だったのがシドニー・オリンピックだった」と語った。

　張氏は８日、WTF本部事務室を訪れ、チョ・ジョンウォン総裁ら関係者らと会談した。張氏は、「現在全般的に民族内部の雰囲気は良いし、先日北京で初のテコンドー統合調整委員会会議も開かれた。良い時期に来て気分も良い。この先さらに良くなるだろう」と語った。

　また、張氏は７日記者会見を開き、２０１４年の平昌（江原道、南）冬季オリンピック誘致に対し北側が支持する立場を再確認した。

民族武道統合目指し２つの機構が共同歩調

　北南テコンドー交流事業は、６．１５共同宣言発表後、北南交流、協力の機運が高まる中で始まった。民族の伝統武道を発展させるため、ITF、WTFの２つの機構を統合させようと関係者らの接触、交流が行われてきた。２００２年秋には、平壌とソウルで師範団交換事業が行われた。

　今回の北テコンドー師範団の南訪問とテコンドー統合調整委員会第１回会議開催はともに、２つのテコンドー機構が共同歩調をとるうえで重要な契機となった。

「痴漢退治」の女優に熱い視線　４段、国際師範の実力

［朝鮮新報 2007.4.13］