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金剛山歌劇団、東京シティ・フィル共演 特別公演「朝鮮音楽の夕べ」 朝鮮の名曲に酔いしれる

1500人が鑑賞

終始、感動に包まれた演奏会

 金剛山歌劇団と東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による特別公演「朝鮮音楽の夕べ」(主催=金剛山歌劇団特別公演「朝鮮音楽の夕べ」実行委員会)が9日、東京・新宿文化センターで開かれた。

 歌と踊りのアンサンブル公演による全国ツアーを展開している金剛山歌劇団が、日本の著名なオーケストラである同楽団と共演するのは今回がはじめてだ。

 会場には、在日同胞はじめ各国の駐日公館員、政・経済界、学術・言論界、朝・日親善友好団体代表、日本の市民ら約1500人が訪れ、朝鮮の名曲に耳を傾けた。

チャンセナプ独奏「チョンサン里に豊年が来た」(崔栄徳、左)、ソプラソ独唱「糸車の唄」(全明華)

 1部で指揮を取ったのは金剛山歌劇団の若手指揮者、金成哲さん。管弦楽「ブランコに乗る乙女」、テノール独唱「わが祖国」(李康樹)、女声重唱「テドンガンの日の出」、バリトン独唱「故郷の懐かしい家」(人民俳優・柳展鉉)と続いた後、金剛山歌劇団オリジナル曲の高音チョッテ独奏「リュグァン−流光」(作曲=李淑任・高明秀、演奏=李淑任)が披露された。

 「リュグァン」には、故郷を離れ日本での生活を余儀なくされた在日1世の思いと、彼らから受け継いだ民族の誇りを歳月が流れようとも守って行きたいという2、3、4世たちの思いが込められている。

 2部では人民芸術家・金慶和さんの指揮の下、ロシア民謡「ポーリュシカ・ポーレ」「黒い瞳」や、朝鮮歌曲「美しい平壌の夜」をアレンジした管弦楽「名曲メドレー」、チャンセナプ独奏「チョンサン里に豊年が来た」(功勲俳優・崔栄徳)、バス独唱「東海の月夜」(功勲俳優・蒋基生)、女声民謡独唱「リョンガンキナリ」(宋明花)などが舞台を飾った。

大きな拍手を送る観客たち

 民族楽器の花形ともいえるチャンセナプの力強く軽快な響きに、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。

 2時間あまりの公演の最後を飾ったのは、管弦楽「アリラン」。透明感のある管弦楽の響きと、民族竹管楽器がかもしだす情感豊かな音色に観客は魅了されていた。

 演奏に耳を傾ける多くの人たちは、朝鮮と日本両国の関係改善を強く望んでいるようだった。公演終了後、黄聖喜さん(茨城朝高3年)は、「朝高の民族楽器部でソヘグムをやっている。今日は2時間、電車に乗ってやってきた。朝鮮の音楽を、民族楽器以外の演奏で聴くのは初めてのこと。日本の人たちもたくさん来ており、芸術のすばらしさを共有できとても良かった」と感想を語った。

 金剛山歌劇団は今年、日本各地で70回におよぶ各種公演を行い、約5万8000余人が観覧した。(文−金潤順記者、写真−文光善記者)

観客の感想 伝統とのすばらしい調和、心に残るアリランの響き

[朝鮮新報 2008.12.15]