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南朝鮮のPSI全面参加 「戦時に相応する措置とる」

祖平統、人民軍板門店代表部が声明

 朝鮮は5月27日、南朝鮮当局が大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に全面参加することを公式発表(26日)したのと関連して、朝鮮人民軍・板門店代表部声明と祖国平和統一委員会(祖平統)声明を相次いで発表、現在の情勢に対する立場を表明した。両声明は、朝鮮半島情勢が戦争直前に至っているという認識を示したうえで、「戦時に相応する実際的な行動措置」(祖平統声明)でこれに対応していく姿勢を明らかにした。

 PSIへの全面参加を宣戦布告と見なすという北側の警告を無視した南当局は反北対決路線を選択し、北南関係をさらに悪化させた。

 北側は、PSIを「大量破壊兵器を積んでいると疑われる船舶や航空機などを遮断、封鎖するという口実のもとに、米国が朝鮮をターゲットにして作り上げた侵略戦争の道具」と見ている。

 李明博政権がPSI全面参加を公然と強行したことで、「朝鮮半島情勢と北南関係は引き返すことのできない戦争の危険ラインを越えることになった」(祖平統声明)というのが北側の認識だ。

 祖平統声明が明らかにした「断固たる措置」とは、▼北側船舶を停船させたり、取り締まったり、捜索しようとする企てに対して、断固かつ無慈悲に報復し、▼南側の宣戦布告に対して戦時に相応する実質的な行動措置で対応するという2点だ。

 一方、朝鮮人民軍板門店代表部声明は、現情勢に対処する軍部の立場を3つの方向で表明した。

 同声明は、▼PSI全面参加を「宣戦布告」と見なし、些細な敵対行為にも即時、強力な軍事的攻撃で対応し、▼北側がこれ以上、停戦協定の拘束を受けず、▼当面、朝鮮西海上軍事境界線の西北、北側の領海に位置し南側に属する5つの島の法的地位と、その周辺水域で行動する米軍と南朝鮮軍艦船および一般船舶の安全な航海を保証できなくなると明らかにした。

 PSIは2003年、米国の主導で発足した国際協力体制。「核兵器や生物化学兵器などの大量破壊兵器およびその関連物資の拡散防止」を目的としている。

 南朝鮮は、PSIの8つの協力項目のうち、5つの分野に限って協力するなど、部分的な関与の立場をとってきた。しかし、対北強硬政策と「韓米同盟」強化を掲げる李明博政権は全面参加を検討する方向へと踏み出した。

 全面参加によって、海上阻止訓練への参加、訓練に対する物的支援などが可能となる。

 南朝鮮当局は朝鮮が二度目の地下核実験を実施した翌日にPSI全面参加の決定を発表した。発表に際して青瓦台(大統領府)スポークスマンが、「北側が従来よりさらに大規模な核実験を実施し、ミサイル発射も行った状況で、これ以上正式決定の発表を遅らせる名分も理由もない」と述べるなど、対決姿勢をあらわにした。(李相英記者)

祖平統声明(要旨)

朝鮮人民軍板門店代表部声明(要旨)

「PSI全面参加は百害無益」 南の市民団体 撤回を要求

[朝鮮新報 2009.5.29]