総聯中央同胞生活局長、「外登法一部改正案」閣議決定で談話
総聯中央の柳光守同胞生活局長は9日、日本政府が同日、「外国人登録法一部改正案」を閣議決定・国会に提出したことと関連し、日本政府が外登法の登録切替制度と登録証の常時携帯義務、刑罰制度をなくして、同法を根本的に是正するための措置をただちに取るよう求め、要旨次のような談話を発表した。
「改正案」は、非永住者に対する指紋押捺制度の廃止、永住者の登録事項から「職業」と「勤務先などの名称、所在地」の削除、登録切替期間の延長(5年ごとから7年ごとに)などを主な内容にしている。
しかし「改正案」には、総聯と在日同胞が一貫して要求してきた外国人登録証の常時携帯義務および厳しい刑罰制度の廃止に関する内容は反映されていない。
この事実は、在日朝鮮人を主なターゲットとしてその動向を常に掌握し、その人権を威嚇、弾圧、規制するという外登法の治安立法的性格に何の変化もないことを示している。
外登法はその制定目的や規定内容、運営実態から見ても明らかな「在日朝鮮人弾圧法」であり、実際にそのように機能してきた。
だからこそ、総聯と在日同胞は外登法による弾圧に反対し、指紋押捺、登録証の常時携帯、過酷な刑罰制度の撤廃を主な内容とする外登法の根本的是正を求めてきた。
総聯と在日同胞の正当な要求と内外世論に押された日本政府当局は、1992年の外登法「改正」で指紋押捺制度を廃止した。またその際、国会では、指紋押捺廃止に止まるのではなく登録証の常時携帯と刑罰制度についても5年後に改めて検討するよう求めた付帯決議を採択した。
この間、国際人権規約の履行状況を審議する国連規約人権委員会では93年と98年の2回にわたり、登録証の常時携帯義務が国連人権規約に違反すると指摘し、その廃止を日本政府に勧告した。
日本政府当局は、このような内外世論の一致した要求にもかかわらず、外登法の治安立法的性格を是正するための根本的な措置を取る代わりに、部分的な「改正」措置で事態を収拾しようとしている。
われわれは、日本政府のこのような不誠実な態度を到底許すことができない。
世界人権宣言と国際人権規約をはじめとした国際条約も、内外人平等の原則とあらゆる差別の禁止を厳しく求めている。
日本政府当局は、在日同胞の歴史的事情と生活実態、国際法の諸原則を尊重し、その基本的人権を保障する方向で、登録切替制度と登録証の常時携帯義務、刑罰制度をなくし、外登法を根本的に是正するための措置をただちに取らなくてはならない。(関連記事)