商工連パチンコセミナー/「生き残り」への課題論議
商工連・同胞遊技業研究会の主催による「同胞遊技業経営セミナー」が21、22の両日、東京の浅草ビューホテルで行われ、商工連の梁守政会長をはじめ、日本各地の同胞業者ら200余人が参加した。セミナーは、客足の落ち込みや競争激化など、「氷河期」を迎えた業界での生き残りの道を模索しようと企画されたもの。今後の展望の見極めと経営体質の転換をテーマにした講演・ディスカッションでは、シビアなたたかいを勝ち抜いて行くための課題が次々に指摘された。(関連記事)
梁会長は開会のあいさつで、「日本全国の商工会の役員の多数は遊技業者であり、彼らが在日朝鮮人運動で果たしている役割は大きい。大資本の進出や金融不安により予想だにしなかった困難に直面している今、同胞業者は団結して乗り切って行こう」と訴えた。
2日間のセミナーでは、計4つの講演が行われた。
商工連副会長で同胞遊技業研究会のメンバーである李奉国(株)大都製作所会長は「私が見てきた遊技業界の歩みと展望」と題して講演。過去にもパチンコ業界が危機に瀕したことはあるとしながら、「実感としては、日本経済全体の不況の中でこの業界の不況の方がまだ軽い。異業種からの参入は今後も続くだろう」と話した。
ジャーナリストの姜誠氏は、業界の動向について講演。(1)パチンコ機を不正操作する外国人グループのハイテク犯罪を当局は非常に問題視しており、業者がセキュリティ強化に動かざるを得ない流れができていること、(2)低コストの店舗展開と薄利多売で東日本を席巻している大手チェーンの戦略について解説した。
また経営コンサルタントの佐藤幸男、蓮見正純の両氏は、マーケティングと経営戦略、財務リストラクチャリングの理論と実践について講演した。
李奉国氏をコーディネーターに、いずれも数店舗のパチンコ店を経営する埼玉、北海道、宮城、岡山、兵庫の業者が出演したパネルディスカッションでは、それぞれが人材、立地、店舗設計などに対する観点を披露。「商工連はインターネットを利用して同胞業者が情報を共有しあえるシステム構築を」などの提言も出た。
セミナーを締め括った遊技業研究会メンバーの金中烈(株)南大門代表取締役は、「われわれにとって商工連を通じたネットワークは、大手との競争を勝ち抜く上で強みになる。今後も同胞の絆を守って行こう」と呼びかけた。
栃木県から参加したある企業の幹部(28)は、「現場担当者の立場としては、強力な大手チェーンの営業手法など実践的な話を聞けたことが有益だった」と話していた。