南北・在日、ITで初の合弁

ソフト開発ベンチャー
「ユニコテック」


 在日同胞企業と南朝鮮企業による合弁会社「ユニコテック」の設立記者会見と記念セミナー、レセプションが六日、東京都文京区の東京ドームホテルで催され、ユ・ワンニョン会長と梁泳富社長から、事業内容が紹介された。(関連記事

 同社は、朝鮮語入力ソフトを開発、販売する同胞企業「CGS」(梁社長)と、北で委託加工事業を行っている南のパソコンモニター製造企業「IMRI」(兪会長)を母体に、情報技術(IT)ベンチャー企業四社の合弁で今年七月に設立。パソコンや携帯情報端末を通じた自動通訳技術の開発を手掛けている。

 会見で梁社長は、6月の南北首脳会談以降、朝鮮半島情勢が劇的に変貌していくなかで、ITによるコミュニケーションの解決を通じて、北・南・同胞企業の交流促進に寄与しようとの思いが、同社の設立に結びついたと指摘。「平壌の朝鮮コンピュータセンターとも技術提携する初の南北ベンチャーとして、東アジアのデジタルネットワーク作りに努めたい」と語った。

 また、兪会長も「北は優秀な人材の宝庫。技術提携によって南北が互いに利益を生み出すことで、朝鮮民族、ひいては東アジア全体の発展と安定に寄与したい」と強調した。

 会見では、同社が近く発売する、マルチランゲージ(多国語)ソフト「すらすらシリーズ」と、開発中のパソコンによる音声認識・自動通訳システムを実演で紹介。インターネット接続機能を持つ携帯電話からアクセスできる五ヵ国語通訳サービス「携帯多国語会話サービス」を、同日から始めたことも発表された。

 会見後、記念セミナーが催され、250余人が参加。筧捷彦・早稲田大学理工学部情報学科教授が「21世紀の東アジア言語処理」、河民一・朝鮮大学校理工学部情報処理学科講座長が「朝鮮民主主義人民共和国の最新ソフトウェア開発状況と展望」と題して、それぞれ講演した。

 レセプション会場には同社開発の各種ソフトの実演コーナー(写真)が設けられ、参加者の関心を集めた。

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