同胞社会を分裂させ
朝・日関係に水をさす参政権法案(要旨)

朝鮮外務省代弁人声明


 朝鮮外務省スポークスマンが2月28日、日本の一部政党が国会に提出した「地方参政権」法案と関連して発表した声明の要旨は次の通り。

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 1月21日、日本の一部政党は、「永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員および長の選挙権等の付与に関する法律案」を国会に提出した。日本の政界で繰りひろげられている「地方参政権」立法化の企図は、在日朝鮮同胞の民族性を骨抜きにし、民主主義的民族権利を侵害する民族排他的な行為であり、同胞社会を分裂させ、究極的には共和国の尊厳高い海外僑胞団体である朝鮮総聯を崩壊させることを目的とした政治謀略策動である。

 もともと、「地方参政権」騒ぎは、久しい前から南朝鮮当局者と「民団」高位層の悪質分子が朝鮮総聯抹殺を狙い、在日同胞の「日本政治参与」を認める「権利」を日本当局に要請したことに端を発している。

 「地方参政権」が正式に立法化されれば、在日同胞の日本への同化、帰化が促進され、僑胞社会の対立と分裂、混乱が生じることは至極自明のことである。

 それは、「法案」に「永住外国人は、外国人登録原票の国籍の記載が国名によりされている者に限るとする」と明記された「施行規則」を見るだけでも知ることができる。

 これは、在日朝鮮公民が「参政権」を付与されたければ、共和国国籍を放棄し、他の国の国籍を取得すべきだということであって、結局、民族性を捨て、「日本人」に帰化したり、日本の社会へに吸収されるのを強いることと変わらない。

 海外僑胞が自身の祖国と民族を愛し、民主主義的民族権利と利益を擁護することは、当然の権利である。

 まして、日本の植民地支配の結果に生じた在日朝鮮同胞の法的地位問題を正しく解決することは、日本が負った国際法的義務である。

 これに背を向け、日本当局が「地方参政権」を実現しようとするのは、共和国に対する敵視政策の表れであり、犯罪的な過去を再現しようとする行為である。

 過去の植民地支配の時期、日帝は「皇国臣民化」政策の一環として「地方参政権」と「国政参政権」を実施したことがある。

 しかし、まさしく「参政権の恩恵」により、数多くの朝鮮人青壮年が「皇国臣民の義務」を負って日帝の戦争の弾よけとして動員され、清らかな朝鮮の女性が「挺身隊」の看板のもとに「従軍慰安婦」の恥辱に満ちた運命を強いられなければならなかった。

 歴史的事実は、外部勢力が「プレゼント」した「参政権」では、民族の尊厳と自主権はおろか、個人の運命もまともに守られないという深刻な教訓を残している。

 こんにち、日本当局と右翼反動勢力の度重なる暴言、在日朝鮮同胞に対する暴行をはじめ、今まで日本で繰りひろげられた民族差別政策と民族排他行為は、決して「参政権」がないためではない。

 在日朝鮮同胞にとって最も死活的な要求は、民主的民族権利であり、民族性を認められたうえで平等の社会的施策と生活を保障されることである。

 こうした在日同胞の要求を、屈辱的な「日本政治参与権」で埋没させようとする行為は、絶対に許すことはできない。

 歴代の南朝鮮当局者は、朝鮮総聯を瓦解、崩壊させるため、あらゆる権謀術数を尽くし、さらには「民団」内の一部不純分子に「参政権運動」まで行わせて同胞社会を日本社会に溶け込ませようとする売国反民族行為もためらわなかった。

 われわれは、最近、朝・日関係正常化のための接触と対話が進んでいる時に日本の政界で論議されている「地方参政権」立法化の企図を、共和国の尊厳と自主権、そして朝鮮総聯と在日朝鮮同胞の権益を深く損なう行為として重大視せざるをえない。

 日本当局が朝鮮人民に犯した過去の罪を謝罪、補償するどころか、共和国の尊厳を無視して、朝鮮総聯と在日同胞を政治のろう絡物に変えようとするのは、朝・日関係改善に水をさす行為になる。

 日本当局が真に共和国との関係改善を望むなら、「地方参政権法案」を即時撤回すべきである。

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