農楽でハナ!!(ひとつ!!)

4,5日 横浜「あーすフェスタ」
幅広い在日同胞が共演


息もピッタリ、時間と課程を大事にしたい 

 4、5日にかけて神奈川県横浜市で開かれる国際交流行事「あーすフェスタかながわ2000」で、地元同胞が総聯と民団の枠を越えて、農楽とサムルノリを一緒に演奏する。こうした試みは、県レベルでは初めてのこと。1月末から練習を始めた20人のメンバーは、「民族楽器を愛する気持ちは同じ」と当日発表する「嶺南農楽」の練習に余念がない。

実行委員に両団体

 他の地域と同様、神奈川県でも外国人の増加と国籍の多様化は進んでいる。しかし、その一方で制度の壁、言葉や文化の違いが理解されないことで、外国人の生活が改善されない現状がある。母語や民族教育の保障が不十分だったり、住宅入居や就職問題で差別が残っているのはほんの一例だ。

 神奈川県は、外国人の声が地域社会に届くには外国人県民と地域住民の交流を深め、お互いの協力関係を作ることが必須との認識から「あーすフェスタ」を企画。普段からつながりを持つ民族団体とタイアップすることで、内容の充実を計ることにし、実行委員会を総聯神奈川県本部、民団神奈川県本部(NPO法人「民団国際協力センター」)、横浜華僑総会、財団法人神奈川県国際交流協会の4団体で結成した。

 総聯、民団同胞の共演は、民族芸能のステージを企画する過程で自然に持ち上がった。「同じ民族なので、一緒にしよう」とすんなり決まったという。

        合同練習の様子
  (2月25日、民団県本部)

 1月30日に練習がはじまったが、双方のリーダーは練習前に楽譜や演奏シーンを収めたビデオを交換するなど、打ち合わせを重ねてきた。

 総聯側からは30、40代の主婦層が、民団側からは20代の青年たちが参加している。総聯側のリーダーを務める゙和仙さん(35)は「練習がはじまる前からわくわくした。                                

 実際練習してみると、民族楽器を愛する者同士が集まったという感じで、何の違和感もなかった。一緒にやれることの方が多いと思った」と話す。趙仙姫さん(36)も、「本当に画期的。ともに過ごす時間と過程を大事にしたい」と感慨深げだ。

「こども記者」発表も

 2月25日、民団神奈川県本部で行われた練習には10人ほどが参加。息の取り方やチャンダンの強弱を合わせた。クェンガリで演奏を引っ張る民団側責任者の゙壽昭くん(25)に視線が集中する。

総聯側リーダーの゙和仙さん(右)と 民団側リーダーの゙壽昭さん
                                        

 ゙くんも総聯のメンバー同様「触れ合う機会がなかったので、すごく新鮮」と話す。「下からの交流の積み上げが、共生の中身を充実させていく。一緒に舞台に上がることで強くアピールできると思う」と力を込めた。

 地球市民かながわプラザ(JR根岸線「本郷台駅」下車徒歩2分)で開かれる「あーすフェスタ」は4日の午後1時開会(予定は別表)。サムリノリは、6ヵ国13団体が競演する民族芸能ステージで4、5日の両日にかけて披露される。場所は1階プラザホール。

 そのほかにも、4日には基調講演「多文化共生社会と子どもの未来」(東京女子大学西原鈴子教授)と、シンポジウム「どう進める、国際理解教育」が、5日には京都市、東京都、川崎市から代表を招き「拡大外国籍住民会議」がそれぞれ開かれる。

 外国人たちの生活を追った「こども記者」の活動発表(5日)や崔洋一監督を招いての映画「月はどっちに出ている」の上映とトークショー(4日)もある。

 ワールドフリーマーケットでは世界各国の物産品や食べ物が販売される。問い合わせは TEL 045(210)3748(神奈川県国際課)   (張慧純記者)


「あーすフェスタ」の日程

4日

12:30〜17:00   映画祭(中国、朝鮮半島を中心
                           とした各国の映画を上映)
13:00                  開会式
13:30〜14:15   基調講演「多文化共生社会と子
                           どもの未来」
14:15〜15:45   シンポジウム「どう進める、国
                           際理解教育」
16:00〜18:00   民族芸能ステージ

5日

11:00〜13:00   拡大外国籍住民会議
11:00〜16:00   映画祭
11:00〜16:00   民族芸能ステージ
13:00〜14:30   子ども記者発表

 そのほかにもワールドフリーマーケット、ワー
クショップが開かれる。

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