山で元気!

由布岳(1584メートル、大分県)


岩氷と霧氷、冬山の厳しさ体験

 私は中学3年生の時、日本の最高峰富士山に登ったのをきっかけに、北は利尻島・利尻岳から南は屋久島・宮之浦岳と、日本100名山から九州100名山を40年の間に登った。

 きっかけは征服感であり、英雄心だった。しかし今は、「山で友を知り、山で自分を知る」とのスローガンのもと、九州同胞登山協会、福岡・遠賀支部登山クラブなどで「登山案内人」として登山を楽しんでいる。

 毎年2月は、「2月名節慶祝登山の集い」で大分県の由布岳(1584メートル)に登っている。湯の町、湯布院の背後にそびえ、豊後富士とも言われる。春はミヤマキリシマの群落、冬は霧氷の美しさで知られる日本200名山の1つ。東峰と西峰の双耳峰を持ち、典型的なトロイデ型火山だ。

 当初は1週間前の2月20日予定だったが大雪のため延期。しかし、この日の下見を兼ねて希望者3人と由布岳正面から西峰に登り、鋭い岩氷と霧氷の冬山を満喫した。本番の27日の参加者は11人。天気は打って変わり晴。中級者向きの東登山口から登る。

 春から秋にかけては、赤松やカエデ、クロキなどの自然林が美しい。日向峠からはアオハダやシデ、ブナなどの美林で、転び岩と分岐を示す道標を右に斜上して登る。高度が上がると灌木帯となり溶岩壁の間を岩登り。茅とミヤマキリシマの混じった岩稜を鎖とロープに頼りながら登っていく。志高湖と高崎山、別府湾の展望が望めた。

 稜線から左折していくと間もなく東峰の山頂。続いて溶岩壁を下り、マタエから西峰に急登。下山はマタエから急下し、ジグザグに下り続ける。樹林帯を軽く下っていくと茅原の裾野で、さらに一本路を下ると正面登山口に着く。

 2回の登山を通じて同胞らは「岩氷と霧氷の感動は一生の思い出だ」「まるで海中の珊瑚のように素晴らしい」「冬山の厳しさを初めて体験した」などとすっかり冬山に魅了されていた。
(九州同胞登山協会・趙明洙)

 

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【コースとタイム】   正面登山口〜東登山路(日向峠)〜東峰〜マタエ〜西峰〜マタエ〜合野越〜正面
                              登山口(2月27日、5時間)

【山行アドバイス】  由布岳の東峰と西峰の登山は雪と悪天の時、8本以上のアイゼンが必要。また3人
                              以上の場合はザイルの準備も。

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