そこが知りたいQ&A
結婚シーズン、お祝い金の額は
飲食費相当額が妥当/1,2万円が一般的、相互扶助の精神で
Q 社会人1年生です。この春、友人が結婚することになりましたが、お祝い金(祝儀)は、いくらぐらい持っていけばよいのでしょうか。
A 扶助金(プジョグム)、祝賀金(チュッカグム)、祝儀金(チュギグム)とも言います。
一般的には、結婚式場によって違ってきますが、1万円から2万円が多いようです。また縁戚の間柄とか、式を挙げる家族と特別な関係にある場合などは、さらに額が多くなるのが普通です。
朝鮮民族にとって、祝儀というのは、生活を相互扶助する意味合いをこめて、昔から慶弔時に行われてきました。いくら経済的に余裕があったとしても、結婚式などは1度に出費がかさむのでたいへんな負担になります。そこで、負担を軽減するために相互扶助の慣習ができたわけです。またその過程を通じて、つき合いの度合いがさらに深まるので、朝鮮民族の美風良俗として現在も残っているのでしょう。
相互扶助の精神から言うと扶助金の相場は、披露宴の飲食費相当額が妥当のようです。式場によって扶助金の額が違うのはそのためです。
Q 披露宴での1人当たりの飲食費は、いくらぐらいですか。
A 一般の日本の結婚式は、公共施設では1人当たり2万円から、ホテルや一般式場では3万円からの金額に人数をかけた額が総費用の目安とされています。これには、記念写真などの費用も含まれていますので、実際の飲食費は、これよりも低いわけです。
また同胞の結婚式の場合、結婚式場が披露宴をかねている場合が多いので、さらに安く見積もることができます。とくに同胞結婚相談所を通じた場合、各結婚式場と提携しているので、通常料金よりも平均で30%ほど安くなります。
Q 結婚式は春や秋に集中することが多いので、その出費もたいへんなのですが。
A 基本は相互扶助の精神ですので、経済力に応じて扶助金を包めば良いでしょう。
Q 就職した会社では、日本人と一緒に働いています。日本の同僚の結婚式に招待された場合は、どれくらいの額が妥当なのでしょうか。
A 日本の結婚式の場合、3万円が一般的です。ただ、注意すべきことは金額の数字で、4万円、9万円は「死」「苦」につながるので避けることです。お祝い事の数は、基本的に奇数が原則になっているので、2万円を包むときも、1万円札と5000札2枚を組み合わせるようにします。
Q 職場には民団に加入している同僚もいるのですが。
A 詳しいことはわかりませんが、民団の役員をしている友人に聞いたところ、ほとんどが日本の方法を参考にしているようで、お祝い金の額は3万円が一般的だと言います。
Q 祖国を訪問したときに結婚式に招かれる場合があるのですが、そのときはどうすれば良いのですか。
A 2つのケースが考えられます。
帰国同胞の場合、日本で行っている方法で式を挙げることが多く、その場合、やはり祝賀金を持っていく方が良いでしょう。
そうでない場合、たとえば帰国同胞の同僚の結婚式に招待されたとかの場合、お金を持っていくのは逆に失礼になります。できることなら披露宴で使うお酒とか食べ物を、当事者と相談して提供したり、また新婚家庭で使うものをプレゼントすると喜ばれるでしょう。
Q 南朝鮮ではどうですか。
A 結婚式そのものは、在日同胞が行っているのと、そう変わりません。式場で式を挙げた後、披露宴を行います。扶助金の額は、5万ウォンが一般的で日本円にすると約5000円です。
Q 最近は、在日同胞と在米同胞との関係も徐々に深まっています。今後、米国の友人から結婚式に招待されることもあると思うのですが。
A 在米同胞の結婚式では、お祝い金を包みません。ごくまれに扶助金を出す場合がありますが、そのときは誰も見ていないところで、式を挙げる家族に、現金ではなく小切手などで渡します。額は100ドルです。
Q 披露宴で注意すべき事はありますか。
A 披露宴は、2人の門出を祝う場ですから、できるだけ雰囲気を盛り上げるようにしましょう。注意すべき事は、主役は2人だということです。彼らを中心に歌ったり踊ったりすることが、祝うことになります。これは南北、海外を問わず朝鮮民族の結婚式に共通しています。