映像ドキュメンタリー
「チョンおばさんのクニ」上映へ
25〜31日まで、東京・BOX東中野で
中国に連行された元「慰安婦」のハルモニの人生を描く
中国で元日本軍「慰安婦」を強要されたハルモニ・鄭順意さんの半生を描いた映像ドキュメンタリー「チョンおばさんのクニ」が、25日から31日まで東京・BOX東中野で上映される。
在日中国人の班忠義さんが初めて企画・撮影・監督を手掛けた。1987年に留学生として来日した班さんは、92年に「曽おばさんの海」で第7回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞を受賞。95年に中国人元「慰安婦」を支援する会を発足し、活動してきた。
今回の作品は、班さんが支援活動をするなかで出会った鄭ハルモニの、過酷かつ数奇な運命を描いたものだ。
17歳の時に中国に連行され、あらゆる辛苦をなめてきた鄭ハルモニは今、70歳を過ぎ、肺ガンを患っている。死ぬ前に50数年離れていた生まれ故郷を一度見たいという想いは、どうしても断ち切ることができない。支援活動によって、ようやく故郷を訪問することができた。しかし、既に肉親は一人もおらず、昔の面影すらもなかった。
映像は、安住の場所ではなかった故郷と、家族と孫に囲まれた中国という国との狭間で揺れ動く鄭ハルモニの悲しい人生を見事に描き出している。(1時間30分) 問い合わせ =シグロ TEL 03・5343・3102