同胞の店
お好み焼 鉄板道楽「もん」(東京・北区王子)
味も営業形式も「関西式」にこだわり
清潔感あふれる洋風の店内
昨年12月、東京・北区王子にオープンしたお好み焼・鉄板道楽「もん」。切り盛りするのは店主の高領ユさん(48)と妻の呉美子さん(41)。全国各地のお好み屋を食べ歩いたことのある高さんは、味も営業形式も「関西式」にこだわろうと、神戸で修行を積んだ。
オープンして間もないが、勤め帰りに一度、訪れたサラリーマンやOLなどが、休日には家族や友人連れ、カップルで来店するほどだ。
お客さんに聞くとその理由は、店構えから味に至るまで、「こだわり」にこだわった店だからだという。
内装は、座敷や掘りこたつなど従来の和風イメージを一新し、フローリングにテーブルの洋風。六角形と長方形のテーブル4卓、カウンターに26人が収容できる。調理場は、客への気配り、コミュニケーションが取れるようにと、仕切りをせずにオープンになっている。
座ってまず驚くのが、鉄板がピカピカであること。閉店後1〜2時間かけて磨いているという。
「関西式」とあって、料理はすべて店側が焼いて出す。お客さんたちの反応は、「会話をゆっくりと交わしながら食べられる」と好評で、店側の狙いは当たった。
食材、料理法にも「こだわり」がある。まず食材。ネギは緑の葉の部分が多く甘みのある京都・九条ネギを使用している。タコは生ダコ。東京の市場にはゆでた物が入ってくるため、わざわざ現地から生の物を取り寄せている。料理には一品につき足一本丸ごとを使っている。また、生地にはすべて、細かく刻んだコンニャクが入っており、歯応えある食覚を味わえる。
ソースも当然、関西風。関西出身の客も「ここはめちゃくちゃうまい」と評判だ。鉄板焼きのタレも、関西では定番の、すだち風味の旭ポンズを使っている。
最近、ワインを出す店が増えているが、ここではフルボトルが1500円(フランス、赤)と低価格から準備されている。BGMで流れるジャズがまた、ワインにマッチする。
「新報読みましたよ、と言ってくれれば、生ビール1杯サービスします」(高さん)。
人気メニュー
(1)トロロがケーキみたいな食覚と言われる、すじ・ネギ・トロロ焼き(800円) (2)香ばしい深みのある味が食欲をそそる、あぶらかすの入ったイカ・カス・キャベツ焼き(750円) (3)バにも味付けのしてあるモダン焼き(700円) (4)コロコロチャンポン野菜焼き(和牛コロコロステーキ、タコ、イカ、エビ、貝柱など3〜4人前、2500円)