それぞれの四季
私の成績表 李政愛
19日に卒業式が終わった。15人の中級部3年生たちは、それぞれの思いを胸に、母校を後にした。担任の私に色紙と写真立て、そして卒業式の当日に泣いてしまって言えなくなるといけないから、と一言ずつのメッセージが入った録音テープを贈ってくれた。私の宝物だ。さて、この1年を振り返ってみて、担任としての私の成績表やいかに。
私がクラスの担任としてした仕事は、内外で広く活躍するわが校の卒業生たちを招いて話を聞かせたこと、最後なんだから、全ての行事やクラスの活動に全力で挑戦しようと励ましつづけたこと、毎日一緒に掃除したこと、朝の10分間読書を続けたことだ。
担任の仕事が、生徒たちの安全確保、そして段階ごとの目標の提示、学級組織の建設、分かりやすい授業、というのであるなら、私の成し得たことは、1段階目の安全確保と、目標の提示だろうか。色々と抱えていた問題が片づいて、1人1人が自分の顔で1年を過ごせたと思う。そして、我がクラスは行事などに全力でぶつかり、合唱コンクール金賞をはじめたくさんの成果を上げた。しかし、担任の仕事が技術ではなく、人間性などトータルしたものの具現であるという面で見れば、私の仕事は未熟だった。生徒たちを変化発展する存在としてきたか、私の仕事の類型は交通巡査型で、あっち行け、こっち行けと指示しただけではなかったか。見えたことを良しとして、努力して行こうと思う。生徒たちから優等の成績表がもらえるように。
(西東京朝鮮第2初中 教員)
4月からコラムの筆者が代わります。