ニュースの眼

朝鮮の論調
朝・日関係の基本は過去の清算


 先月、平壌で7年半ぶりに再開した第9回会 談で朝鮮側は、朝・日関係の基本が過去の清算――謝罪と補償であることを強調したが、日本側は過去清算の必要性は認めたものの、具体的な清算方法については、言及を避けた。今月22日から東京で行われる予定の第10回会談でも日本側は、過去の清算よりも「ら致問題」解決を優先視すると見られる。これに対して朝鮮中央通信および労働新聞は最近、あいついで論評を発表し、基本問題に対する朝鮮側の態度を再び明らかにした。その要旨を紹介する。 (朝鮮通信、見出しは編集部)

政府最高責任者が直接謝罪を法的文書に明記

 朝鮮に対する日本の過去清算においてもっとも優先的な問題は、かつて朝鮮人民に強いたすべての不幸と苦痛、災難と被害に対して心から反省し、そうした歴史を再び繰り返さないという意志がこめられた政治的な公式謝罪をすることだ。

 過去の犯行に対する日本の謝罪は、徹底的にして明白なものとなるべきだ。そのためにはまず、日本政府の最高責任者が直接謝罪し、それをかならず法的性格を帯びる文書に明記すべきである。

 日本側の謝罪は、明白に朝鮮を対象にし、具体的かつ公式的な謝罪となるべきだ。

  謝罪を両国間の国交正常化と関連して採択される最終文書に明文化しようとするのかどうかは、日本が侵略の過去を繰り返さない意志を、空言ではなく国際的公約と実際の行動で国際社会の前に保証するのかどうかを示す基準となる。

 また、日本国会の謝罪決議も採択されなければならない。

 日本がどう謝罪するか、日本がどう過去を清算するかによって朝・日関係の展望が左右され、日本の道徳的価値と良心が評価されるだろう。(労働新聞4月25日付)

「請求権」では解決できぬ補償と文化財返還などを

 最近、日本の一部マスメディアの間では、朝鮮に対する過去清算問題を「財産請求権」方式に対置させるという軽率な世論が増幅されている。

 これは、半世紀にわたる朝鮮人民の不幸な過去の問題を商業的方法で解決しようとする狡猾(こうかつ)きわまりない行為であって、誠実な謝罪と補償の意志に欠ける甚だしく不そんな態度の表れである。

 今回、朝・日政府間会談で朝鮮側は、日本の過去清算問題と関連して原則的立場を明らかにした。

 日本が過去を清算するためには、謝罪と人的ならびに物的損害に対する補償、朝鮮の文化財返還ならびに補償、在日朝鮮人の法的地位改善の4問題が解決されなければならない。

 この問題が解決されるまでは、朝・日関係改善が実現されえない。

 よってこの問題は、朝・日政府間会談の基本論点、中心課題となるべきだ。

 今後、開かれる朝・日政府間の東京本会談では、われわれが主張する日本の過去清算問題が必ず解決されるべきである。(朝鮮中央通信4月24日)

「ら致」問題は南との陰謀、日本に対する立場再検討も

 日本の一部の政客、マスコミは、「ら致」問題を解明すべきで、そうしてこそ「朝・日関係を論じることができる」などと騒いでいる。

 日本の反動階層が「ら致」問題について騒ぐのは、われわれに対する一種の挑発であり、挑戦である。

 人間の自主性、人権をもっとも尊重し、貴重にする朝鮮の社会主義制度において「ら致」などありえず、当初より存在しない。

 反北圧殺策動に狂奔する南朝鮮の「国家情報院」(旧安企部)が、ありとあらゆるねつ造品を作りだし、それを系統的に日本に渡したことは、すでに公開された事実で、「ら致」問題もやはり日本と南朝鮮当局の「共助」陰謀の産物である。

 日本には、われわれに対して「ら致」問題を述べる資格がない。日帝が強制的にら致、連行した朝鮮人の数は600余万人になる。ら致犯行について明確に解明するというのなら、過去に日帝が朝鮮でら致、強制連行して虐殺した数百万人の朝鮮人の行方からまず解明すべきだ。

 「ら致」問題で騒ぐ日本の下心は、当面してこの問題を持ち出して朝・日会談で自分たちの利益を追求しようとすることにある。

 日本が引き続き、こうした態度に終止するならば、朝・日関係と関連したわれわれの立場を再検討せざるをえなくなるだろう。

 日本が表裏不一致に行動することは百害無益であり、事を損なうこともある。

日本は自らの本当の立場を明確にすべきだ。(労働新聞4月27日付)

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