冷麺の殿堂―玉流館(平壌)


ソバ粉と鶏肉のハーモニー/タッコギチェンバンクッス

  冷麺の本場と言えば平壌。平壌で冷麺と言えば玉流館。1日1万人が訪れるという朝鮮の冷麺の殿堂、玉流館で、最近登場した新メニューが人気を集めている。

 その新メニューとは、そのまま朝鮮語で読むと「タッコギチェンバンクッス」。直訳すれば「鶏肉お盆冷麺」とでもしたらいいのだろうか。「お盆冷麺(チェンバンクッス)」とは真ちゅう製の平らで大きな足付きの器に載った麺という意味で、スープ少なめ麺多めの、平壌ではポピュラーな冷麺だ。

 麺と具、つゆがそれぞれ別の器に盛られているのがポイントで、ヤンニョムジャン(薬味入りのタレ)も添えてある。ボイルしたたっぷりの鶏肉(150グラム)と櫛形に切ったゆで卵、薄切りにしたナシや野菜、松の実などが彩り良く並べられている足付きの器に、麺とタレ、つゆを入れ、かき混ぜて食べる。

 鶏のダシのきいた香ばしいつゆと、蕎麦粉の香り高い麺の味の相性は抜群。柔らかい鶏肉と麺の食感、のどごしも共に申し分ない。まさに箸を置く間もなくどんどん進む。1日2000食が出る大ヒットとなっているというのも納得がいく。

 新メニューの開発は昨年10月から行われていたというが、さすが「冷麺の殿堂―玉流館」、なんと金正日総書記自ら料理長らに会い、アイデアを提供したという。             (平壌発=千貴裕、文光善記者)

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