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「コスモプランニング」
(東京・杉並区、葬儀社)
「同胞の目線で奉仕」信条に 冠婚葬祭の中でも、唯一「突然訪れる」一大事は、人が亡くなった時。心身ともに動転し、葬儀の準備は大変だし、費用だってバカにならない。こんな時、同胞の目線から一切を賄ってくれる業者がいたら――。こうしたニーズに応えるのが、東京都杉並区の「コスモプランニング株式会社」。地元・荻窪の同胞たちの働きかけで9年前に設立された、都内唯一の同胞葬儀社である。荻窪分会の分会長、金大栄さん(54)が代表、副分会長の李栄鎬さん(54)が専務を務める。 葬儀業者の中には、ごく一部だが「価格設定が不明瞭で、あれこれオプションを勧めては高い料金を請求する『ぼったくり業者』もいる」(李さん)。そこで「同胞に奉仕する葬儀社が必要」と、会社設立に踏み切った。 モットーは「同胞として親身に接する」こと。遺族の負担を極力減らすよう、式の準備や諸手続代行など、葬儀全般を取り仕切る。「同胞僧侶に朝鮮語の読経をしてほしい」「葬儀は故郷の済州道式に」「通夜料理にはチヂムとキムチを出して」などの注文は、民族性が表れる冠婚葬祭ならでは。 葬儀は集まった香典で全経費を賄えるのがベストだが、参列者数にもより、うまくは行かない。加えて、経済的事情から葬儀に費用を掛けられない同胞も多い。同社では、祭壇や棺、霊柩車の種類から初七日の準備まで、数10項目のサービス内容を綿密にチェック。返礼品のように必ずしも必要のないオプションは見積もりの段階で削り、ぎりぎりまで経費を絞る。 (宣伝にはパンフレットなどを活用する) 一般的な葬儀費用の平均は100万〜200万円。これを6〜7割程度に抑えることもあるというから、「当然、採算は合いません。半分ボランティアです」と、李さんは苦笑する。同胞として厳しい状況は理解できるだけに、つい良心的な価格を提示してしまう。だが、この姿勢が、顧客の9割以上を同胞が占め、9年間で依頼件数400件以上という数字に表れている。 今後は、自ら副所長を務める中野・杉並同胞生活相談綜合センターとも連携を取りつつ、同胞に安心を提供したいという李さん。24時間体制で心労も重なるが、「葬儀が無事に終わり、遺族の人たちに感謝の言葉を掛けられると、この仕事をやっていて良かったと思います」。 (柳成根記者) ◇ ◇ 東京都杉並区上荻1―10―5 TEL 03・3392・4314 交通手段=JR中央線荻窪駅西口下車、徒歩2分(地図参照) 営業時間=24時間受付(年中無休) |