歴史的な平壌対面と南北最高位級会談
余韻さめぬ各地の同胞

時間忘れる「統一列車」


 金正日総書記と金大中大統領の歴史的出会いから約1週間。余韻はいまだ覚めず、各地の同胞社会では祝いの集いが続いている。(関連記事特集文化欄の関連記事

「統一祖国で暮らせる」感概ひとしおの1世たち

みなが力を合わせて/大阪・東成

 13日から15日の間、3万6000人の同胞が住む大阪・生野区の御幸通朝鮮市場(コリアタウン)では連日、同胞たちが路上などで祝杯を上げる姿がみられた。16日にはその勢いは大阪各地に広がった。

 東成区では、「統一はすでに玉造だけでなく、東成全体に来た」と、中大阪朝鮮初中級学校で祝賀会が催され、団体所属の違いを越えて多くの同胞が集った。

 とくに感激していたのは1世同胞たちで、「和解、団結して統一祖国で暮らせる日がやっと来る」と涙を流しながら喜んでいた。

 朝鮮民謡が流れると、皆が総立ちでオッケチュムに興じ、フィナーレでは時間の過ぎることも忘れて「統一列車は走る」に合わせて人の列が延々と続いた。

 洪訓一さん(44、会社員)は、「これからは同胞みんなが共に力を合わせて諸権利を拡大していかなければならない。また、国際社会にも広く進出していく準備をしていかなければならない」と語っていた。

7月2日に共同祝典/愛知・朝青

 金大中大統領が帰途についた15日夜、和歌山でも商工人たちが祝杯を上げていた。その場には民団系同胞も姿を見せ、歴史的な場面を目撃した感動を分け合っていた。

 民団の1世同胞(69)は、「北に対する印象が180度変わった。まさに和解と団結の第1歩が始まった」と語りながら、「統一祖国のために何ができるのか、真剣に考えていきたい」と抱負を述べていた。

 南北共同宣言が署名された14日夜、翌日の記者会見準備に追われていた朝青愛知県本部。李哲秀委員長は、「在日韓国青年同盟など各団体と連帯を計りながら語り合い、そして統一に対する互いの認識を詰めていきたい。7月2日にとりあえず共同で、大祝典を催す予定だ」と語った。

口々に熱い期待/京都・南山城

 総聯京都・南山城支部では15日夕、支部事務所で歓迎の集いを開いた。同胞たちは両首脳が歴史的な対面を果たした映像に見入り、喜びと感動に浸った。

 集まった同胞は誰彼を問わず興奮さめやらぬ様子だったが、中でも1世の感慨は格別なものだった。

 30年間、女性同盟支部の専従だった文光子さん(80)は「南北に生き別れになっている兄弟に再び出会えたなら…。そんな日がきっと来るでしょう。涙が止まりません」と目を潤ませていた。

 この日の会合では1世から3世まで、同胞たちが世代を越え、統一への熱い期待を語った。

 同胞たちが歌う民謡に合わせてチャンゴを叩いていた女性同盟伊勢田分会の韓銀鳳分会長(61)は、「長年、信じてきたことがやっと実現されたという感じ。これから朝・日関係にも波及し、この地の『ウトロ問題』にもいい影響を及ぼすだろう」と述べ、金忠雄さん(58)は「これからはみなが力を合わせ、統一のために何ができるのかをこれまで以上にきちんと考えたい」と話していた。

 16日には総聯伏見支部でも歓迎宴が行われ、120人の同胞らが集まった。

共同宣言熱烈に支持/広島・中高運動

 13日、広島県青年商工会の呼び掛けで歓迎宴が開かれ、17日には総聯広島・安芸支部も南北共同宣言を支持する集いを開いた。

 18日、広島朝鮮初中高級学校で開かれた運動会も歓迎ムード一色。運動場には「南北共同宣言を熱烈に支持する」「祖国統一を実現しよう」などの横断幕が飾られ、集まった同胞たちは会談の話題に花を咲かせていた。

 19日には、青年商工会メンバーが所属を越えて南北共同宣言を歓迎するゴルフコンペを広島CC八本松コースで開催した。

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