春・夏・秋・冬

 「平和」 「統一」、「自主」 「団結」。金日成主席が示した、72年の7.4南北共同声明にも明記されている祖国統一の原則である。この4つの言葉が、金正日総書記と金大中大統領が互いに贈った朝鮮半島原産の豊山犬、珍島犬のつがいの名前としてつけられた

▼写真が公表されているが、その様は子犬だけになおさら可愛い。そして、それぞれの名前を呼ぶ時に、歴史的な英断によって統一を目指す南北共同宣言が採択され、さらには総書記と大統領が長年の友人でもあったかのようにかっ達に話し合い、手を取り合い抱擁したシーンを思い起こすことになるだろう

▼まさに、「世界を震撼させた2泊3日」だった。改めてテレビの画面に写し出される両首脳の姿を見ながら、「夢ではないのか」と思うことも2度3度ではなかった

▼ところで、この歴史的な出来事を解説する日本の専門家たちの話を耳にしながら、この人たちには今、朝鮮半島で何が起きているのかがまったく理解できていない、とうんざりした。会談の過程や今後を分析するのも重要だろう。しかし、日本にとって、過去の清算が終わっていない朝鮮半島問題に客観的ではありえないという認識が一様に欠落している

▼伊との国交、豪との復交、ARF加盟、そして訪中に次ぐ今回の会談。来月にはロシア大統領が訪朝する。米国は食糧支援を決め、不十分だが経済制裁も一部解除する

▼局面が急展開するなかで日本が口をはさめるのは、とにかく過去の清算、謝罪を急ぎ朝・日国交正常化を実現する一点でしかない。  (彦)

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