盧相鉉ピアノリサイタル
民族の心をこめて
朝鮮大学校音楽科助教授でピアニストである盧相鉉氏のリサイタルが7日、東京・四ッ谷の紀尾井ホールで開かれた。
5歳でピアノを始め、朝大音楽科を卒業し教べんを取る傍ら、フランス留学や朝鮮、日本のオーケストラとの協演など演奏家として活動してきた氏の音楽生活30周年を記念して同実行委員会(宋三在委員長)が主催した。 今回のリサイタルは全て朝鮮曲のプログラム。朝鮮の名曲である民謡「しだれ柳」(チョウ・ギルソク編)、「遥かなる星を求めて」(コ・スヨン)「故郷の夜」(リン・グンジェ)、「アリラン」(チョン・クォン編)や在日音楽家の作品である「水晶峰の朝」(キム・ハッコン)、「オンヘヤ」(キム・フィスン編)、「夢」(キム・リョニ)など、13曲が披露され、老練な技巧と深い情緒がつむぎだす真しな音楽に500人が魅了された。 常々、「ピアノという楽器を通じ民族の旋律と心をうたい続けることが私の確かなライフワーク」と言う盧氏は3曲の自作曲を含めた9曲の同胞音楽家の作品を積極的に取り上げた。その中でも、自作曲である「ピアノのための散調(サンジョ)」は、本来民族楽器であるカヤグムの独奏曲の一形態を西洋楽器であるピアノで見事に表現した。拍手の中、アンコールでは「われらの願い」の演奏も。盧氏は「観客の方に心から感謝したい。これから作曲などを通じても、この気持ちを還元したい」と語っていた。 |