根強い「男性優遇」観
−日本政府が世論調査−
総理府が行った男女共同参画社会に関する世論調査によると、社会は「男性の方が優遇されている」との見方が依然、大勢を占めていることが分かった。
調査は、今年1月末から2月のはじめにかけて、全国の20歳以上、5000人を対象に行われ、3378の有効回答を得た。 調査では、社会の各場面(家庭、職場、学校教育、政治、法制度、社会通念)における男女の地位の平等感について質問。結果、学校教育を除くすべての項目で、「男性の方が優遇されている」との回答がトップだった。 このうち、「男性優遇」との答が最も多かったのが社会通念の76.6%で、これに政治の72%が続いた。 学校教育に関しては、「平等」と答えた人が63.9%を占めたものの、「男性優遇」との回答が、前回調査(95年)の13%から14.8%に上昇。法制度では、「男性優遇」が48.1%で半数を割ったが、こちらも前回に比べて3.7ポイント上昇している。 社会全体についての見方も、「男性優遇」の76.7%に対し、「平等」は17.7%だった。性別に見ると、「男性優遇」との回答は女性で、「平等」との回答は男性でそれぞれ高くなっている。 ここではさらに、「男性優遇」と答えた人に、その原因は何だと思うか質問(複数回答)。「日本の社会は仕事優先、企業中心の考え方が強く、それを支えているのは男性だという意識が強い」との答が62.1%で最も多かった。これに「社会通念などのなかには男性優位に働いているものが多い」(60.7%)や、「女性の能力を発揮できる環境や機会が十分でない」(41.9%)が続いた。 |