日朝連帯茨城訪朝団メンバー
花井吉宅さん(、元教員)に聞く
堂々と自信持ち生きる人々
去る5月25日から6月1日にかけて朝鮮を訪問した元教師・花井吉宅さん(61)。県立高校で30年間、理科の教師を務めた。帰国後、南北朝鮮の統一と日朝国交正常化実現への願いを込めて、常陽新聞(茨城県)に朝鮮訪問記を4回にわたり連載。南北首脳会談直前の朝鮮を訪れた同氏に感想を聞いた。
謝罪、補償せぬ日本に胸痛む 25日の朝に土浦を発ち、新潟空港からウラジオストック経由で平壌に入った。 日本を発つ前はあえて予備知識を持たずにでかけた。なぜなら、日本の朝鮮に対する見方は非常にゆがんでいると常々感じていたからだ。ただ、日本では朝鮮に対する客観的で公正な報道が極めて少ないのでどんな国なのかという純粋な好奇心だけは強かった。 訪問先は平壌市内にとどまらず、開城市や板門店、信川博物館(黄海南道)にまでおよんだ。帰ってくるとどんなに遅くても必ずメンバー全員が集まり、その日の感想を述べ合った。それぞれがこの国の人々の温かさと、今まで近くて遠い国だった朝鮮の新しい発見などを語り合った。そうすることで朝鮮に対する認識をより深めることができた有意義な旅となった。
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訪問先で一番印象深かったのは、滞在2日目に訪れた朝鮮革命博物館と、4日目の板門店だ。 博物館には、日本による植民地時代の受難史と抵抗史が詳細に展示されていた。同館案内員の説明のなかに「日本帝国主義」という言葉を聞くたび、当時の戦争犯罪をいまだに謝罪も補償もしていない日本政府を思い、胸が痛んだ。 板門店では、1つの民族が分断によって引き裂かれている現実を目の当たりにした。統一閣に立ち南側に広がる山並みを眺めながら、朝鮮民族の統一への願いが1日も早く達成されることを心から願った。
物質的には確かに豊かかもしれない。お金さえあれば手に入らないものはない。そんな「豊か」で「平和」な日本で、少年犯罪や汚職事件が毎日のように起こっている。本当の「豊かさ」とはなんだろうか。朝鮮を訪れながら、私はそのようなことを考えた。
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