京都・同胞青年5団体

20世紀から21世紀へ
カウントダウンイベント

「京」「今日」                        
"きょうから1つに"


 京都府内の5つの同胞青年団体が、団体所属や信条の違いを乗り越えて取り組んだ「ワンコリアカウントダウン21」が、2000年12月31日から2001年1月1日にかけて世紀をまたいで行われた。会場のみやこめっせ(京都)に足を運んだ1万人は、歓声と拍手で1つになることを誓った。(張慧純記者、関連記事

1万人の熱気あふれた会場

 午後7時から始まったイベントは、11時半からクライマックスに達した。

 舞台中央のスクリーンでは、民族の自主性をもぎ取られた日帝の植民地支配、解放もつかのま、同族同士の戦いを強いた朝鮮戦争、統一を民族の自主的な力で遂げることを誓った6・15共同宣言など、20世紀の苦難と希望の歴史が映像とともに紹介された。

 続けて、朝鮮民族が生んだ世界に誇る音楽家・尹伊桑氏のカンタータ「わが国土、わが民族よ!」が流れるなか、白いチョゴリをまとった舞踊家たちが、白頭山、漢拏山など朝鮮各地から集めた土と水を1つの器に注ぎ、舞台中央の祭壇にまつる。そして、統一と同胞社会の発展のために身を投じたすべての同胞先輩たちに捧げる追悼辞が朗読された。

 「試練多き20世紀に先立たれた先輩方へ21世紀の3千里錦繍江山を献上します」。孫彰吾・韓青伏見支部委員長(31)の声が会場に響き渡り、クンジョル(先祖を奉る朝鮮式のお辞儀)が捧げられた。

 いよいよ新世紀へ。スクリーンには統一列車が走るレールが映し出された。シ(10)、ク(9)、パ(8)、チ(7)…。「統一列車はきょう(京都を指す「京」、「今日」)から出発する!」。

 21世紀の幕開けが宣言されるや、青年たちが一斉に舞台に上がりテーマ曲「白頭大幹」を合唱。

 「悲しみ 喜び ともに分かち合った月日よ/きょうのこの日から果てなくどこまでも/やっと出会ったウリ/アリランを探そう」。南のシンガーソングライターのハン・ドルさんが統一への思いを込めた曲である。

 舞台には各団体の委員長が登場し、「京都コリアン青年学生21世紀宣言」を読み上げた。「6・15共同宣言を遵守し統一に寄与する、在日同胞間の一切の分断をなくし、大同団結して同胞社会の繁栄のため尽力する―」。

 李承現・韓学同委員長(22)は誓った。「私たちは在日同胞の求心力となり、統一時代の先駆者となることを宣言します」

統一時代の先駆者に

 イベントは、アン・ビョンウォン氏(カナダ在住)の指揮のもと、アン氏が作曲し統一を望む数多くの同胞たちが歌い続けてきた歌「われらの願い」で結ばれた。舞台と会場の同胞たちは呼吸を合わせたかのように肩と腕を組み、1つにつながり、大きなうねりになって右へ左へ揺れた。

 韓青OGの李京順さん(30)は「様々なしがらみを乗り越えて実現させたことがすごい。忘れていた何かに目覚めさせられた」と後輩たちを称えた。

 「カウントダウン」を共催したのは、在日本朝鮮青年同盟(朝青)、在日本朝鮮留学生同盟(留学同)、在日韓国青年同盟(韓青)、在日本大韓民国青年会(青年会)、在日韓国学生同盟(韓学同)の各京都本部。在日本朝鮮京都府青年商工会と韓国京都青年会議所が特別協賛し、府、市、京都商工会議所など34団体が後援した。

 会場には府内の民族学校や日本学校に通う同胞児童たちがデザインした「統一旗」が展示され、配られたパンフレットには様々な同胞が広告を寄せた。「同胞が1つになるすばらしさを伝えたい」(洪昌明・青年会委員長、24)。あらゆる違いが乗り越えられた。

 「府内には約1万人の青年がいるが、同胞団体とつながりがあるのは2000人に満たない。各団体とも、目標とするものをやり遂げていない、というじくじたる思いがあった。力を合わせれば、『民族』に多くの同胞を引き寄せられると思った」。姜聲徳・韓青委員長(33)はイベントに向けた2年の月日を振り返った。

 この日のイベントは、「1つになる」ための実践行動の「第1弾」に過ぎない。この春、五団体は「21世紀宣言」を実行するため、協議会を立ち上げる。

 「今日、私たちは同胞の前で1つになる約束をした。青年たちの努力を無駄にしない、行動で証明したい」(李武律・朝青委員長、31)

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