第3次総聯同胞故郷訪問団
「統一は民族の力で」 誇りに満ちた故郷への道
総聯同胞故郷訪問団は到着の日(6日)、大韓赤十字社主催の歓迎宴に招かれた |
仁川空港で家族、親せきとの別れを惜しむ訪問団一行(11日) |
50余年の歳月を経て、21世紀の初めに再び開かれた総聯同胞の故郷訪問への道。第3次総聯同胞故郷訪問団一行が6日から11日まで、5泊6日の日程で南朝鮮の故郷を訪問した。総聯同胞の故郷訪問は6.15共同宣言の発表を受けて第1回北南閣僚級会談で決定され、昨年9月から始まった。在日本朝鮮人教職員同盟中央本部の蔡鴻悦委員長を団長とする訪問団80人は、夢にまで見た肉親との再会を果たし、墓参りをした。(関連記事社会欄) 「血は濃し」 96歳の金吉徳ハルモニ(東京・葛飾)は、いつも満面に笑みを浮かべ元気に訪問日程をこなした。訪問団の中心は70、80代の同胞たち。当初5泊6日の日程は心配されたが、故郷や親族を想う熱い心は同胞たちを10歳も20歳も若返らせたようだった。 この間、唯一106歳のオモニに会った梁以河さん(東京・足立、66)、5人の妹に会った鄭外仙さん(京都・山科、76)、偶然アボジの命日の日にあたった車斗伊さん(北海道・苫小牧、73)、亡きオモニが50余年間保管していた幼い頃の写真を譲り受けた朴龍さん(朝鮮大学校教授、60)など訪問団一行は、行く先々で感動的な再会を果たし忘れられない思い出を刻んだ。 50余年の月日は複雑な政治情勢の中で、誤解や不信を抱かせる素地を生んだ。故郷に向かう飛行機の離陸直前まで親せきの安否も知らされず、不安を抱きながら空港に降り立った同胞たちもいた。しかし、「血は水よりも濃い」という真実を実感するのにそれほど時間はかからなかった。 一行は、例外なく熱烈な歓迎を受け、過ぎ去った歳月をよびもどすかのように肉親の情を確かめ合った。人が体を引き裂かれ生きられないように兄弟、親せき、民族はひとつであるという事を心と肌で確かめ合った。 熱い共感 言葉よりも実際の生活を通して、個人よりも民族の未来を信じて生きてきた壮絶な生きざまを通して、親せきばかりではなく南の人々に感銘を与えたようだった。 故郷を想うがゆえに故郷を訪ねられない痛み、親兄弟を愛するがゆえに統一に身も心もささげるその姿は、熱い共感で受け入れられた。 それは、6.15共同宣言の発表以降、南朝鮮に急激に広がった統一に対する共感の表れでもあった。 北南閣僚級会談、赤十字会談が相次ぎ中断されるなかで、唯一何の滞りもなく継続された総聯同胞故郷訪問団の活動は、統一運動において総聯の担う役割の重要性を垣間見せるものでもあった。 家族、親せきが集まった場所で、村人たちも集まった歓迎宴で、また同窓生たちの集いの場で訪問団一行は、統一の切実さを訴え、統一のために共に生きる事を確かめ合った。 「統一は外勢に頼らず、民族の力でなしとげるものだ」 「私たち自らが、主人公になってすべきものでしょう」 釜山で取材をした兄弟の自然な会話は訪問団一行の、いや民族すべての熱い想いの現われではないだろうか。(康太成、姜鐘錫記者) |