「始まった第2の3.1運動」−平和と統一のための北南民族大会 |
【ソウル発=金志永記者】3.1人民蜂起84周年を迎えた1日、北と南の宗教人と社会団体代表がソウルに集まり、平和と統一のための3.1民族大会が行われた。外勢による戦争危機が日々増大する中、民族の安寧と平和のための団結が成し遂げられ「3.1民族宣言」が発表された。 「民族自主で平和を」
ソウルで民族合同の統一行事が行われるのは、昨年の8.15につづいて2回目。3.1節に際して行われた民族大会は、6.15共同宣言の発表以来活性化した民間レベルの統一運動の実効性を如実に物語るものとなった。 核問題により朝鮮半島情勢が緊迫し、平和の実現が焦眉の課題として浮上している中で行われた大会の主題は明白だった。 「北と南が戦争する必要はない。民族自主で戦争を防ぎ、平和を守らなければならない」 北側代表団団長を務めた張在彦・朝鮮宗教人協議会会長は演説で、戦争に反対する北側の立場を明らかにしながら、こんにちの核危機をもたらしたのが誰であり、戦争の危険はどこから来ているのかということを明白にした。 南側の代表はこれをそのまま受け入れた。統一連帯常任代表の韓相烈牧師は、「もともと一つだったのだから、一つに戻るべき」と語りながら、「第2の3.1運動はすでに始まっている」と民族共助で平和を実現していくことを訴えた。 変わる南の意識 南では同日、3.1民族大会以外にも各地で自主独立を訴える行事が相次いだ。盧武鉉新大統領も、政府主催の3.1節記念式に参加し「核問題の平和的解決」を強調した。 一方、保守勢力も「北の核開発阻止」「駐韓米軍撤退反対」を主張する「自由統一国民大会」をソウルで開いた。これに対し民族大会に参加したある社会団体関係者は、「守勢にまわった勢力の最後のあがき」「昨年秋以降、10年前の核危機の時に米国が戦争を準備していたという事実が広く知られるようになった。米国に対する盲目的な幻想は崩れつつある」と語った。 民族大会南側団長の金哲・天道教教領も、今大会は民間行事ではあるが、「84年前の独立運動もそうだった」と意義を強調した。 多彩な行事
2日夜、民族大会最後の行事である「平和統一祈願の夜」は、冷たい雨が降りしきる中で行われた。 故文益煥牧師の夫人・朴容吉女史は、「過去10年、北の同胞が味わった経済的苦境や、女子中学生の非業の死を悼む南の同胞の痛みは、民族の分断にその根がある」と述べた。そして、「後代に分断した祖国だけは決して譲ることのないように」と強調した。 特設舞台では北と南がそれぞれ準備した公演が披露され、平和統一をアピールした。 参加者らはろうそくに火を灯し、統一への願いを込めながら行事を終えた。 一方大会期間、明洞聖堂をはじめとする各宗教施設では、分断後初めての北南共同宗教礼式が催され、明洞聖堂の大聖堂では2日、北の代表団参加のもと統一を願うミサが執り行われた。 また、シェラトンウォーカーヒルホテルでは「日本による歴史わい曲の真相を明かす北南共同学術討論会」も行われた。 討論会で参加者らは、日本による歴史わい曲はアジアの民衆に対する第2の冒とくになると指摘。また、朝鮮の英文表記が本来「Corea」であったものを「Korea」にねつ造した日本を非難した。 討論会に参加した南の代表らは、「本当の意味での過去の清算が行われるべき。私たちは北側と日本の交渉を、大きな関心を持って見守っている」と語った。 (関連記事) [朝鮮新報 2003.3.6] |