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高校無償化 2.26大集会 2千余人が東京・渋谷周辺をデモ

粘り強くたたかい抜く

多くの市民が見守る中、朝鮮学校への差別なき「無償化」適用を求めた

 「2.26朝鮮学校への『無償化』即時適用を求める大集会」が2月26日、東京の代々木公園野外ステージで行われた。東京で行われる大規模なものとしては4回目となった今回の集会には、324団体が賛同、2千余人の同胞、学生、日本市民らが参加した。

 集会では、各界からの発言があり、参加者たちは朝鮮学校に「高校無償化」制度が適用されるまで、たたかい抜くことを確認し合った。集会後には、渋谷一帯でデモ行進が行われた。

 「高校無償化」からの朝鮮高級学校除外問題が浮上してから1年、各朝高3年生たちが卒業を目前に控えた現在もなお、「無償化」適用の申請手続きは停止されたままだ。この不当な差別的処遇に怒りの声を挙げるべく、日本各地から賛同者たちが集った。

 集会では、主催団体である「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」を代表し、長谷川和男さんがあいさつした。長谷川さんは、3回にわたり行ってきた集会をはじめ、1年間、日本各地で「無償化」運動が展開され、連帯の輪がより広まったと指摘しながら、「無償化」問題は、日本の差別、排外主義を映し出している問題だと批判した。そして、「朝鮮学校10校だけが除外されていることは、絶対に許してはならない。日本の民主主義と人権感覚が問われている。粘り強くたたかっていこう」と呼びかけ、大きな拍手を浴びた。

東京・渋谷一帯で行われたデモ行進

 集会では、朝高生、一橋大学学生、全国朝鮮高級学校校長会の慎吉雄会長(東京朝鮮中高級学校校長)、同校オモニ会代表、「外国人学校・民族学校の制度的保障を実現させるネットワーク」の田中宏代表(一橋大学名誉教授)、金舜植弁護士、共催団体である「フォーラム平和・人権・環境」の藤本泰成事務局長らが発言をした。また、日朝学術教育交流協会の中村元気会長(福岡)、日朝友好三重県民会議の鈴木逸郎会長、「朝鮮学校無償化ネットワーク愛知」の小野政美事務局 員をはじめ、北海道と広島の日本教職員組合のメンバーが地方から駆けつけ発言した。

 朝高生たちは、高校生活最後の1年間を、権利獲得のために授業や部活の時間を割いて活動を繰り広げてきた。しかし、依然、問題を先延ばしにし続ける日本政府の対応に、深い悲しみと激しい憤りを感じると吐露した。また、共にたたかってきた同胞や日本市民たちに謝意を述べながら、卒業後も引き続きたたかっていくことを誓った。

 田中宏代表は、民主党が掲げたマニフェストの中で唯一実現された「無償化」は、外国人学校も対象に含んだすばらしい制度だが、朝鮮学校を除外したことは大きな欠陥だと指摘した。さらに、大学受験資格のある33校のブラジル人学校の中、25校は各種学校でないとして「無償化」から外されており、朝鮮学校は各種学校であるが、政治的理由で除外されている現状について述べながら、「日本における外国人の人権問題、東アジアにおける共存の問題にとって、朝鮮問題は最も中心的である。これをいかにクリアしていくかに、今後の私たちの将来がかかっている。共にがんばろう」と呼びかけた。

 集会では、京都朝鮮中高級学校と広島朝鮮初中高級学校の生徒らが作ったアンソロジーを東京と茨城の朝高生たちが代読し、参加者たちの胸を打った。

 また集会では、決議文が採択された。決議文は、▼朝鮮高級学校への「無償化」手続き停止に怒りを持って抗議し▼日本政府に「無償化」を即時適用することを求め▼差別の歴史を断ち切り、朝鮮学校への権利を保障することを要求した。

 決議文は、2月28日に代表たちが内閣府と文科省を要請に訪れ、関係者に手渡した。

 参加者たちは、集会の最後に、「無償化」問題が解決されるまでたたかいを継続すること、各都道府県で浮上している朝鮮学校への補助金削減の課題をクリアできるようたたかい抜くことなどを確認し合った。

 集会後、参加者たちは「朝鮮学校にも『無償化』を!」「教育の差別に反対!」などとシュプレヒコールを叫び、渋谷駅周辺を通り、神宮通公園まで1.7キロメートルの道をデモ行進した。(取材班)

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[朝鮮新報 2011.3.2]