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「民族差別に加担しない」−大学受験資格、アジア系排除批判し京大副学長ら国立大教職員946人が声明

文科省で記者会見する京大、東京外大、お茶の水女子大の教職員ら(11日、文科省記者クラブ)

 「私たちは民族差別の加担者になることを拒否する」−。尾池和夫京都大学副学長をはじめとする国立大の教職員ら946人が11日、アジア系外国人学校に大学受験資格を認めないとする文部科学省の方針を批判する声明を文科省で発表した。

 公私立大の過半数が外国人学校出身者に門戸を開放しているなか、国立大は文科省の立場を踏襲し資格を与えていない。文科省の「認めない」方針をいわば補完している国立大の教員らが、自ら当事者意識をもってその方針を非難し、公正な判断を世論に訴えた意味は重い。

 声明は、「国立大学教職員として責任ある立場に置かれている」としながら、文部科学大臣に@民族学校出身者に対して国立大への受験資格を認める法的措置をとることA受験資格認定は、各大学の自主的な判断に任せることを公に声明する−ことを求めた。

 声明への賛同を呼びかけたのは、京都大学の駒込武助教授、水野直樹教授をはじめ東京、九州、一橋、北海道、大阪、金沢、東京外国語、神戸、お茶の水女子大の教職員ら。2日に呼びかけ、1週間で1000人近い署名が集まる広がりを見せた。教職員が賛同した大学は70校。全国に99ある国立大の70%にあたる。

 また同日、京大の駒込武助教授、竹沢泰子助教授、東京外大の中野敏男教授、お茶の水大の米田俊彦助教授らが文科省を訪れ、大臣あての要望書を提出した後、記者会見を開いた。

 今後教職員らは、各大学が自主的に判断し受験資格を認めるよう教授会などに働きかけるという。現制度下においても学校教育法施行規則第69条第1項第6号「その他大学において、相当の年齢に達し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者」の「大学認定条項」を使って受験資格を認めることができるからだ。

 また、声明文を朝鮮語、中国語、英語に翻訳し、海外に情報発信をするとともに、研究者の意見を募る。ホームページはhttp://www.jca.apc.org/~komagome/seimei_index.html

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