第26回在日朝鮮初級学校中央サッカー大会開催 |
6〜8日の3日間、三重県伊勢市の朝熊山麓公園で行われた第26回在日朝鮮初級学校中央サッカー大会。約800人の選手らが熱戦を繰り広げた今大会の11人制競技では中大阪初級が優勝、8人制では奈良・和歌山合同チームが優勝した。学父母らの声援を受け、連日の酷暑の中、緑のピッチを思いっきり駆け抜けた選手たち。熱戦の3日間を振り返った。(文=金明c、写真=盧琴順記者)
「とにかくうれしいの一言。選手たちが日に日に成長する姿がとても頼もしい」と中大阪初級の鄭徳杉監督(29)は目頭を熱くさせた。学父母らと選手らも抱き合い、歓喜の涙を流した。同校は1995年の17回大会以来、9年ぶり2度目の優勝を飾った。 決勝戦は東大阪初級との「大阪対決」となった。大阪では互いの手の内を見せ合っているため戦いづらい相手。しかし、「今まで練習してきた力を出し切れば勝算はある」と鄭監督。 試合は一進一退の攻防が続き、中大阪の選手が2枚のイエローカードを受けて退場するなど、激しい試合展開となった。前半を0−0で折り返し後半戦へ。1点を先制され苦しい展開となるが、試合終了間際に起死回生の同点ゴール。延長戦では何度もあぶない場面があったがDFの気迫あるプレーでゴールを死守した。勝負はPK戦に持ち込まれ、選手らの緊張がこちらにまで伝わってきた。途中、東大阪がPKを失敗。中大阪の選手らはきっちりとゴールを成功させ優勝を手にした。
決勝までの道のりは平坦ではなかった。準決勝進出を決める予選で西播初級に引き分け。「一番しんどかった」と振り返る北大阪との試合には、1−0で辛くも勝利し準決勝に駒を進めた。準決勝では東京第9初級と対戦。ここでもPK戦だった。 「一戦一戦を大事に挑んだ結果が出た。選手たちにはスポーツマンとして試合以外での自分をしっかりコントロールするように、そして試合では勝つという気迫を出すようにと常に指導してきた。選手たちをほめてあげたい」(鄭監督) 主将の呉民世選手(6年)は、「集中力を100%発揮して得たみんなの勝利だ」と優勝のうれしさをかみ締めていた。 「よっしゃ! ようやった!」。奈良・和歌山初級合同チームの選手と監督、応援に駆けつけた同胞らは喜びを爆発させた。豊橋初級との決勝、2−1で接戦をものにして初優勝した。その喜びは何にも代えがたいものがあった。
今大会に参加した人数は奈良が5人、和歌山が7人だ。「それでも選手たちはサッカーが好きで、月に1回は互いの学校を行き来しながらしっかり練習に励んだ」と文淳基監督(27、奈良初級教員)は語る。 02年には大阪福島に決勝で敗れ、涙をのんだ。それだけに今回の決勝は何が何でも勝ちたかった。今大会ではライバルの大阪福島を得失点差で退け、見事決勝へ進出した。 「合同チームを指導してきて5年目にしてようやく得た優勝。1年目はとにかくチーム状態がボロボロだったが、話をよく聞いて選手たちが自信を持ってプレーしたおかげで優勝という結果を残せた。人数が少なくても力を発揮できる事を証明できた」(文監督) 主将の金大貴選手(和歌山初級、6年)も「優勝を目標にして、負けないという気持ちで合同で練習してきた。みんなで勝ち取った優勝なのでとてもうれしい」と笑顔で語った。 (関連記事) [朝鮮新報 2004.8.12] |